Interview

2018.8.3 Fri

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レペゼンインタビュー:焚巻 ヒップホップと仲間とnodus

フリースタイルダンジョンの裏に隠された、一人のラッパーの人生

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前編で語られた、ラップを始めた頃の壮絶なエピソードの数々。
フリースタイルダンジョンの華やかなイメージとは裏腹に普段は見ることのできない、焚巻のストリートライフを垣間見ることができた。
リリックに落とし込まれてる言葉の重みにはやはり人生をかけた裏付けがある。そう感じることができた。
後編の今回は、焚巻の人生がどう好転して行くか。そして、ストリートに対する想いと今後展望について語ってもらった。
今後ラップで一儲け考えているあなたはもちろん、ストリートを知らないあなたも釘付けになること間違いなしの男の人生。必見です。

 

人生の好転

焚巻:
24歳ぐらいの時にDJ DAIとのユニットNewJack Skillzで、12inchのBLACK SUN(ブラック・サン)っていうアナログをリリースしました。
出した時は、よっしゃー!こっからぶちかませるぞ!って意気込んでて。

でも聴いて貰う以前に知って貰うって事が、実は一番大変でした。
リリース1ヶ月後にはレコードショップのディスカウントコーナーに置かれてて…
現実の厳しさと向き合ってまだまだ行ってやると思いましたね。

レペゼン:
うまくいかないもんなんですね…
どこから巻き返しが始まったんですか??

焚巻:
少しづつ色んな所で、ライブMCバトルに呼んで貰える様になって、誘われたのがフリースタイルダンジョンでした。
ダンジョン出てから、最終的には安売りされたアナログも再入荷の話を貰いました。…断りましたけど。

レペゼン:
ダンジョンはどういうきっかけで出ることになったんですか?

焚巻:
ダースレイダーさんから誘われてですね。ダースさんが主催してる3 on 3っていうMCバトルがあって、それで一回優勝したことがあったり、戦極MC BATTLEになる前の大会(戦国)で戦った事もあって、その流れで話をもらいましたね。

レペゼン:
なるほど。
すごかったですもん。めちゃくちゃバズってましたよね。

焚巻:
自分でも想像してた以上の広がりがありました。
YouTubeで見られた事もあって、有りがたい事に色んな方に知って貰えました。

ただ、その後1年経ったぐらいで、ラッパーとしてうまく消化して行かないといけないプレッシャーにぶつかりましたね。
結局どこ行っても、”ダンジョンの挑戦者焚巻”って呼ばれるんで。ありがたい事とは思ってるんですが、それって賞味期限があるじゃないですか。
自分が思うリアルな音楽、バックボーンがある上で出演した番組だと思っているので、あくまでダンジョンは焚巻っていうラッパーを知ってもらう”入り口”で、”ゴール”である作品やライブで結果を出したかったですね。

それでもなかなかMCバトル以外のところをフィーチャーしてもらえなくて。
それを塗り替えなきゃいけないって時期はありましたね。

レペゼン:
今度は、そのプレッシャーにぶつかるわけですか。

焚巻:
プレッシャーってほどの物じゃ無いんですけど、このまま何もしなければ流行りで終わると思いました。
ただ、どこ行ってもライブ見てもらえればかっこいいって思ってもらえる自信はあったんで、呼んで貰った現場にひたすらライブしに行ってました。

幸い、オファーは増えたので、北は北海道から南は沖縄まで全国にライブしに行きましたね。

レペゼン:
沖縄も!いいなー!

焚巻:
沖縄やばいっすねー!!
LODE STARロ―ドスター)のコウイチ君に感謝です!
沖縄には赤土クルーチコもいて素晴らしいアーティストが沢山いるっす。

レペゼン:
地方で一番印象に残っているところはどこですか?

焚巻:
どこにお邪魔してもだいたい何か喰らって帰ってくるので…一番を決めるのは難しいっすけど…
でも自分の中で外せないのは兵庫県加古川だと思います!

FReECOolフリークール)ていうHUMANMUSICのトラックメーカーが住んでる場所でもあるんですけど、加古川の人たちは感覚のアンテナが高いんすよ!兵庫は何もない町なんですけど、でも何もないんなら、自分たちでつくろーぜっていうバイブスがアツいっすね。

DJのGREEN WORKSグリーンワークス)さんって人もFACTORY 079(レコード&アパレルショップ)を自分で作っちゃって。メチャクチャおしゃれなんですよ。さらに最近は皆さんで、コーヒーショップとバーも作って、人が集まるパワースポットになってると思います。

レペゼン:
自分たちで作って行くスタイル、ヒップホップですねー

 

仲間との出会い

焚巻:
僕らもRAIZENライゼン)君を筆頭に、オーナー陣とHUMANMUSICアーティスト達でストリートショップnodusノーダス)をやってます!

レペゼン:
作っちゃったんですね!

焚巻:
始まりはRAIZEN君が「IKBストリートだ!」って言って、池袋駅西口で地元の人やラッパー、スケーター、グラフィティライターが集まって音楽を通してみんなで遊んでたんですよ。SNSで呼びかけたりしないで、仲間達がかぎつけて自然に人が集まるみたいな。

気付いたら人数は増えていったんですけど、今度は何も悪いことしてないのに、毎回警察がくるようになっちゃって。
「なんで路上の弾き語りは良くてヒップホップはダメなんだよ!」って思うんすけど。警察も仕事なのでしょうがないですよね。笑

じゃ、いつかこれを胸はってできるようにしよう!お店にしちゃえばいいじゃん!って出来たのがストリートショップnodus(ノーダス)なんですよ。IKBストリートでやってたことをそのままお店にしたのがnodusで、nodusがあれば誰も文句は言わないし。みんなの溜まり場になるし。

レペゼン:
いい場所ですね。

焚巻:
池袋はヒップホップの聖地があって、それが池袋BEDベッド)です。でも夜しかやってない。
じゃあ、昼間はnodusで!みたいな感じでどんな人でも集まれる場所です。
だから、そんなインスピレーションとかも、ライブで呼んでもらった街と人から学ぶことすごいいっぱいありますね。
自分たちでメイクして形にするっていうのはきれい事だけじゃ続かないので、ちょーかっこいいと思います。

レペゼン:
地方も東京に負けない、いやそれ以上のヒントが落ちてるんですね!
ヒップホップにはそれぞれフッドがあると思うんですけど、”池袋のここがいい!”っていうポイントはどんなところですか?

焚巻:
まず自分は川越から、DAIは大分から出てきて池袋へ行くようになりました。
そんな中でも池袋の人達は優しく向かい入れてくれて、こんな人達いるのかってぐらい、あったかいっす。
どこの街でも住んでるのは同じ人間なんで、その街を好きになるのは、その街の人間を好きになった時だと思います。

「なんかあったら俺に言えよ」って言われると、逆にその人たちに迷惑かけないようにしようって思うんすよ。
この人たちに頼ったら解決できると思うと、逆に頼らずに、自分の人間力を磨こうと思えたっすね。

しっぽはふらずに、自然と頭がふれるヒップホップがある街それが池袋だと思ってます。

レペゼン:
いい人たちに出会うと、自分自身も磨かれる。
本当にいい出会いをしたんですね。それから、どんどん人生も登り調子になって行くんですね!
ダンジョンの後、プレッシャーを乗り越えて、ファーストアルバムがいい感じだったんですか?

焚巻:
そうですね。ファーストアルバムがかなり力になってくれました。
FReECOol(フリークール)君がアルバムを全曲プロデュースしてくれました。
輪入道と作ったTOKYO JAZZトウキョウ・ジャズ)っていう曲も入ってて、この三人が約6年ぶりに集まって出来た曲も入ってます。

それまでリリースしていたのは、MIXCDアナログ、あるいは配信だったので自分名義の全国流通は一度もなくて、このアルバムを納得して全国へ出せたことで、アーティストとしても、ようやく1周できたっすね。

レペゼン:
そっからさらに上がってますね!!

焚巻:
その後から、HUMANMUSICのダンサーでもある、RIHITOリヒト)君が声をかけてくれて、RADIO FISHレディオフィッシュ)さんとのフィーチャリングがはじまるんですけど。
一緒にツアーも回らせてもらいました。
普段、自分がいるフィールドとは規模も客層も全て違うのでステージで“魅せる”ってことを意識するようになった良い経験です。

レペゼン:
すごーい!

焚巻:
まだまだこらからっす!!

 

音楽とファッションについて

レペゼン:
とにかくとても濃い人生ですね。
次は、今の焚巻さんについて伺います。最近好きな曲はなんですか?

焚巻:
最近つーか前からなんですけど竹原ピストルさんが好きです。
あとBOCKY(ボッキー)君に教えて貰ったNakamuraEmiさんの「メジャーデビュー」って曲がいいんですよ。

レペゼン:
今日聞いてきた曲はなんですか?

焚巻:
自分の曲です。恥ずかしいっすね。笑
聴きながらアルバムの曲順どうしようかって考えてました。

レペゼン:
ラップしてて影響を受けた人はいますか?

焚巻:
身内なんですけど、RAIZEN(ライゼン)くんとMOTOYモトイ)さんです。

レペゼン:
日本のラッパーでこいつやばいっていう人いますか?

焚巻:
最近だとBADHOPバッドホップ)もかっこいいっすよね。
かっこいいものはかっこいいっすね。その辺はわりと皆さんと一緒だと思います。笑

あとはNAGAN SERVERナガン・サーバ)くんとRITTOリット)くん!!とにかくライブがかっこいいっす。

最後にTHA INSIDEに出てるアーティスト陣。
みんな音源も出しててライブもいけてる、僕も唯一レギュラーで出てるパーティーでいけてる人が集まってます。

レペゼン:
USでは誰がかっこいいですか?

焚巻:
Freestyle Fellowshipフリースタイル・フェローシップ)とあと、LOGICロジック)ですね。この二人は昔からずば抜けて好きっすね。
EMINEMエミネム)、J.COLEジェイ・コール)、Kendrick Lamarケンドリック・ラマー)も好きですし。
あとはMAC MILLERマック・ミラー)やMike Zombieマイク・ゾンビ)に、Jonwayneジョン・ウェイン)とかラップのスタイルがかっこいっす。

レペゼン:
なんでもかっこいいって言えるスタイル、かっこいいっす。

焚巻:
昔はステージでもカッコつけてライブしてたんですけど、最近は裸(心)でライブするようにしてて、素直な自分出すようにしてます。
ステージ降りて、ダサかったらめっちゃダサくないすか?
逆に、日常もステージの上も同じ立ち振る舞いでカッコよかったらかっこいいじゃないですか。
だから、かっこいいものはかっこいいっす!

レペゼン:
焚巻さんのそのスタイル、我々にもバッチリ伝わって来ます!
では次はファッションについて伺います。
好きなブランドはありますか?

焚巻:
nodusノーダス)です。nodusは場所でもあるし、ブランドでもあって、服も売ってます。
あとはSubcietyサブサイティー)とPUNK DRUNKERSパンク・ドランカーズ)です。
地元でかましてるBROWN RATS(ブラウン・ラッツ)も着させて貰ってます。

レペゼン:
お、今日も着てますね。

焚巻:
だいたいどっかに身につけてますねー

 

ストリートについて思うこと

レペゼン:
では次はストリートについて伺います。
今のストリートをどう思いますか?

焚巻:
めちゃくちゃいいんじゃないですか?ちょー羨ましいです。

レペゼン:
羨ましい??

焚巻:
ストリートって言っても広いと思うんですけど、ギャングスタのストリートもあるし、ダンサーのストリートもあるし。
僕がお話しできるのは、”音楽のヒップホップ”のストリートしかないですけど、そういう目で見たら、今の子たちは僕も含め、めちゃくちゃ恵まれてるって思うっすね。

レペゼン:
なるほど、どのような視点からそう思うんですか?

焚巻:
昔はストリートにお金を落とす大人っていなかったっす。僕らが始めた頃は。
ストリートのカルチャーを形にして、空気を入れてくれる人って誰もいなくて。だから、自分でレーベル立てて、自分でリリースして、全部自分でやるしかなかったっす。

でも今は、その作り上げたものにフォーカスを当ててくれる企業だったり、メディアがあるって。これは僕が始めた頃にはありえなかったっす。
今のストリートはめちゃめちゃスポットライト当たってますよね。

それでも甘くない。
椅子の数とプレイヤーの数が同じじゃないことは、今も当時も同じだと思いますよ。
自分含めて勘違いすんなよってことです。

レペゼン:
確かに。もちろん昔からの蓄積があってですが、今はようやく環境が整ってきましたよね。

焚巻:
一方で、かっこいい人が増えたわけではないなーとも思います。
人口は増えたけど。

レペゼン:
それもそうかもしれませんね。
流行ってみんなやりだすと、良くも悪くも、とにかく人が増えますもんね。

焚巻:
そうですね。ほんとにかっこいいものがお金になるっていう、直結はしてないと思います。
本当にかっこよくてお金稼いでる人もいます。だけど、そうじゃない人もいっぱいいると思います。

まずは人のことあーだこーだ言う前に、自分のやるべきことをしっかりやっていこうと思います!

レペゼン:
リアルにストリートで生きてきた焚巻さんらしい意見ですね。
ではそんな焚巻さんにとって、ストリートに定義とは?

焚巻:
ストリートの定義か…愛でしょ!!

レペゼン:
イェー!

焚巻:
愛だと思います。

レペゼン:
愛に溢れたストリートの世界に憧れを持つ若者も多いと思います。
そんな若者に対して、ズバリ、ストリートで稼ぐには?

焚巻:
それも愛じゃないですか?リスペクトじゃないですか?
結局そこっすね!!

レペゼン:
具体的に若い子たちに向けてアドバイスはありますか?

焚巻:
楽しんだ方がいいっすよ!ありのままで。って伝えたいですね。
ただどんな世界も全員分の椅子が用意されてる訳じゃ無いんで。申し訳ないけど、「願えば叶う」はきれい事っす。努力も報われない時だってある。

それでもやらないで後悔するより、どうせ一度きりの人生なら納得をより多く残して行きたいと俺は思ってます。俺もまだまだ戦ってます。
なんならようやく始まったところです。

0じゃ何も起こらないけど、踏み出して1にできれば、仲間が力を貸してくれて10に出来るかも知れない。その先に思い描いた憧れや理想が待ってるなら、その努力を試す価値があると思ってるす。

過去の過ちは忘れちゃいけないけど、石ころだって人に蹴飛ばされたら前に進めるんですよ。ダイアモンドだって磨かなきゃ原石のまま、ただの石ころ。
一度の人生とことん磨いてみても僕は良いと思うんですけどね。

レペゼン:
まさに焚巻さんが体現してきた道ですね!マイクを持たない我々も喰らいました!

 

今後の展望

レペゼン:
インタビューももう少しです。
今後の展望を教えてください。

焚巻:
とにかくぶっこぬきたいです。

レペゼン:
ぶっこ抜くんですね!!
フリースタイルは続けますか?

焚巻:
考えますねー笑
ほんとは両立できるのが一番いいんですけど、結局またどっかでやる気になるとは思います。
バトルじゃないフリースタイルなら今もずっとやってます。

レペゼン:
そういう意味では、フリースタイルは”売名行為”っていう位置づけもあるんですか?

焚巻:
そうですね。それがなくなったら、やる人にとってのメリットは減っちゃうと思います。
僕だって、結局それで名前が売れてるんで、何が一番ヒップホップで名前売りやすいかって言ったら、今はMCバトルだと思うんですよ。

レペゼン:
なるほど。それもやっぱりヒップホップには間違いないですね!
告知はありますか?

焚巻:
今年の10月にセカンドアルバムのリリースが決定しました。
先行シングルが9月から配信予定です!
今回も全トラックFReECOol(フリークール)くんがプロデュースしてくれて。
ファーストから繋がる世界観で、より自分の内側のことを話してます。ラップもファーストとはまた違った形になったので、聴いて貰えたらうれしいです。

レペゼン:
絶対聴きます!!
最後に、座右の銘はなんですか?

焚巻:
nodus(ノーダス)です。nodusってラテン語で「絆」って意味なんですけど。

レペゼン:
nodus。絆。我々も大切にしたいと思います。
パンチラインの連続のようなアツいお話を聞かせていただきありがとうございました!!

 

「仲間との絆。」焚巻という人間を構成するにあたり、欠かすことができないもの、要素としての一番大きいものがそれだった。
きっと彼はヒップホップもマイクもフリースタイルも裏切ることのない”仲間”の一人と考えているのだろう。
「フリースタイルダンジョンは単なる入り口。」焚巻はそう語ったが、入り口までどれだけバネを貯めておいたかで明日以降の跳ねる高さは決まってくる。
その意味で彼の貯めはハンパないし、だからこそ今後がますます楽しみだ。
あなたも愛と絆にあついヒップホップライフを。そして、ぜひ一度nodus(ノーダス)に顔を出しに行ってみてほしい。

 

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焚巻 Instagram:takumaki_mc
Interview By ABE HONOKA

場所:OASiS

 

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