Interview

2019.5.27 Mon

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レペゼンインタビュー:ELIONE 「俺は俺に倣え。」

イーライワンの話を聞くと、ヒップホップシーンの今がわかる。

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前編で明らかになった、彼のヒップホップへの探究心、そして行動力。仮にラッパーを志していない我々にとっても学ぶべきことがたくさんあった。
しかし、驚くべきは前編だけでは留まらない。後編に紹介するのは。ここ最近、彼が仕掛けてきたこと。

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時代の変化がもちろんある中で、その時々に何を”提示”できるか。ラッパーとして、一人の男として、リスペクトフルなELIONE(イーライワン)の生き様をしかと見届けよ。

人生グラフ③セカンドアルバム

レペゼン:
東京に出て来て、ファーストアルバムを出して、いろんなラッパーと友達になって…そのあとのことを教えてください!!

ELIONE:
そのあとは、セカンドアルバム出すんですけど、セカンドの時はクラウドファンディングを使って作ったんですよ。

レペゼン:
おー!!そうなんですね!!お金はどのくらい集まったんですか?

ELIONE:
100万円くらいですかね。

レペゼン:
すごいですね!!

ELIONE:
BOOK OFFで僕の好きなアルバムが250円で売られてるのにムカついて。「CDである事をやめればそんな低い価値が付けられないでしょ」と思って、クラウドファンディングでお金を募ってUSBで発売しました。音楽の価値を見直させたかったんですよね。

レペゼン:
すごい!!そういうアツい思いがあって、自ら動くスタイルほんと尊敬です!!
でも確かに、今ではCDをなかなか聴かなくなりましたよね。

ELIONE:
そもそもパソコンにCDを入れるところないじゃないですか!笑
ディスクドライブも別になっちゃってるし。だからそういう社会への”提示”っていう意味でも、「USBでの発売」をやってみたかったんですよね。

レペゼン:
素晴らしいです。

ELIONE:
同じ頃にWU TANG CLAN(ウータンクラン)のRZA(レザ)が、自分達で作ったアルバムの権利をオークションに出したんですよ。原盤権を売ってやるって。確か数億円?とかで売れたと思うんですけど。

レペゼン:
なんかそう言う事ありましたね。

ELIONE:
結局、富豪がそれを買って、あとはそいつがレコード会社に持って行ってリリースして世界中に聴かせても良いし、1人で聴いてても良いみたいな事だったんですけど。RZA好きなのもあったし、良いなと思って、その動きをちょっとサンプリングした感じですね。

レペゼン:
その活動すらサンプリングしたって事ですね!

ELIONE:
インディーズのアーティストと言うか、インディペンデントで自分達でやるなら販売方法もプロモーションになると思ったんですよ。

レペゼン:
なるほど。

ELIONE:
この間亡くなりましたけど、Nipsey Hustle(ニプシー・ハッスル)が一枚100ドルのアルバムを出して、JAY-Z(ジェイ・ジー)が”いいムーブメントだね”って100枚買って、、、RocNationのオフィスで写真を撮って、、、とかってエピソード、確かあったじゃないですか?
売り方も自分達で選べるって言うか、音楽の値段って結局は音楽業界とレーベルが勝手に値段決めただけなんで、関係ないんじゃないかなってのは思います。

レペゼン:
確かにその通りですね。

ELIONE:
なんならライブ終わりに手売りで、「これ1枚50万なんですよ」ってCD売っても良いわけじゃないですか。だから「決められてる物」、「既存の概念」に常に疑問を抱くべきだって思って、そういうことをやっていました。

レペゼン:
さすがすぎます!!

ELIONE:
いくらで売るべきなのかを誰かが決めてるだけなんで、自分で決めたいじゃないですか。で、そういう思考とかが詰まって「UNCHAINED」、「誰にも縛られない」ってタイトルで次のサードアルバムに行ったぽいですね。笑

レペゼン:
ぽいんですね。笑

ELIONE:
これもビート流して、その時に出た言葉を歌詞にして、曲になったみたいな感じで作りました。だから、そういう思いが詰まってたんでしょうね。この頃のELIONE君には。笑

レペゼン:
その頃のELIONE君。笑
ご自身のストレートな思いが詰まったアルバムなんですね。

人生グラフ④フリースタイル

レペゼン:
その頃、フリースタイルダンジョンに出てましたよね!反響ありましたか?

ELIONE:
面白く思ってくれたのか、反響はありましたね。

レペゼン:
観てる人も多いですもんね。フリースタイルは今でもやってるんですか?

ELIONE:
全然してます!無限にしてます!
なんか、みんな勘違いをしてて、「楽曲制作」と「フリースタイル」を分けるんですけど。そもそもヒップホップの前身にあるジャズって即興じゃないですか。だからフリースタイルも音楽だし、むしろフリースタイルの理解がないとパンチラインの演出がうまく出来ないんですよね。

レペゼン:
なるほどー!!

ELIONE:
フリースタイルで盛り上げる事が出来る人、ちゃんとパンチラインで盛り上げられる人は、言葉の演出が上手いって思います。バトルに関してはどっちでも良いんですけど、「フリースタイル」っていうものはすごく音楽的なものだし、愛して欲しいなって思いますね。

レペゼン:
たまに「フリースタイルやってる人は楽曲がダメだと」かみたいな意見があるのはもったいないですね。

ELIONE:
そうですね。皆が大好きなBiggie(ビギー)もフリースタイルの動画、めちゃくちゃ有名だし、MOS DEF(モス・デフ)とかTalib Kweli(タリブ・クエリ)とかPharoahe Monch(ファラオ・モンチ)とかみんなフリースタイル残ってるし。
あとはKanye West(カニエ・ウエスト)だってフリースタイルしてる映像が残ってるし、JAY-Zもフリースタイルしてる音源とかが引っ掛ったから有名になってるわけですしね。フリースタイルは世界に通じるし、大切なんじゃないかなと思います。

レペゼン:
その通りかもしれません!ヒップホップを愛していれば自然とフリースタイルをやることになるってことですね!!

ELIONE:
うーん。そうですね。出来なきゃダメというわけではないですが、出来たらもっと楽しいよ。って、思ってます。

ヒップホップシーンについて、ストリートシーンの定義

レペゼン:
今のヒップホップシーンについて、どう思いますか?

ELIONE:
この何年間は、僕がラップを始めて活動するようになってから、一番多くの人に聴いてもらえる状況になってるんじゃないかなと思います。

レペゼン:
今ラジオとかもやってますし、結構みんな聞いたりしてそうですよね。

ELIONE:
そうですね。結構反響はありますね。

レペゼン:
そんな今日この頃、ストリートの定義ってなんだと思いますか?

ELIONE:
なんだろう…
やっぱり人なんじゃないですかね。服屋でも、レコ屋でも、クラブでも”人”があってこそだと思うし、ストリートってのはそういう”人”達の事だと思ってます。

レペゼン:
なるほど。

ELIONE:
もしくは、そういう人達と「リスペクトをしている、リスペクトをされる人間である」という交流があることなんじゃないかなと思います。

レペゼン:
「リスペクト」はストリートにマストなものですよね!!

ストリートシーンで”稼ぐ”とは

レペゼン:
ストリートとかヒップホップで稼ぐためには何が必要だと思いますか?

ELIONE:
今の世界の音楽を考えたら、収益は大きく3つあって。①「ストリーミング」音源の収入、②「マーチャンダイジング」物販とかの収入と、③「ツアー」興行の収入だと思うんですよ。

レペゼン:
なるほど。

ELIONE:
ただ、日本でもバンドマンたちって、物販とツアーとかを、昔からやってるんですよね。自分たちで地方のハコ押さえてツアーして、ギャラがなくてもグッズ売って収入にして、ちゃんとファンたちと交流して。各地にファンを作る事でその人たちが広げてくれたりする状態を作るみたいな。

レペゼン:
確かに。

ELIONE:
そんな風に各地にファンベースができると、アンダーグラウンドであっても、メジャー契約なんてしなくても、それだけで食って行ける状況になるんですよね。海外で言うとTech N9ne(テック・ナイン)とかがそうですけど。
だから、日本のヒップホップシーンでもそう言うものをヒントにしていけばいいとは思いますね。

レペゼン:
うおーすごい!それ最高です!!

ELIONE:
「金を稼ぐ手段」って何でも良いというか、「どのタイミングでマネタイズするか」と「その先どこで金を稼ぎたいか」を見据えて行動する事が大事だと思います。自分が今やってる事をお金にするタイミングをハッキリさせる、見極める事。

レペゼン:
先を見据えた計画ですね。

ELIONE:
俺がこんなことを言えるのは、”今の時代だから”なんですけど。今は、色んな手段や方法が選べて、色んな事がやれるんだと思うんですけど、昔はそうじゃなかった。だからその土台を作ってくれた日本のヒップホップの先輩達には感謝しています。その人達がいて今の俺達がやれてるって言う事ですね。

レペゼン:
それって、音楽以外にも通じそうな考え方ですよね。

ELIONE:
海外の人達って自分の置かれた環境から抜け出したくて、ラップやるのか、バスケやるのか、アメフトやるのかして、全部自分で掴んできてると思うし。そこに学んで、誰かに頼むんじゃなくて自分で掴んでいくって事が、ストリートで稼ぐために必要なことだと思います。

レペゼン:
確かに。その通りですね。

ELIONEの夢、野望

レペゼン:
これから叶えたい夢とか野望とかはありますか?

ELIONE:
たくさんあるんですけど…
あえていうなら、「こういう曲をこういう人とやりたい」ってなったら、電話一本でそれが全て叶う。その”状況”が夢ですね。

レペゼン:
好きなことが、好きな時にできるってことですか?

ELIONE:
今は音楽の例だったんですけど、例えば飲食店をやりたいってなったら、あいつに相談して、あれして、これをして、あれをこうすれば出来るよねって、想い描いたモノが早く形になる状況、環境を作りたいって感じです。

レペゼン:
それをヒップホップで形にしたいって事ですね。

ELIONE:
そうです。そこに行くまでには一個一個の色んな活動や、努力が必要ですけどね。
あ、野望って言ったら、みんなでどっかの街の一区画を買い取って「ヒップホップの街」みたいなのを作りたくないですか?

レペゼン:
おー!作りたいです!!面白そうですね!!

ELIONE:
ディズニーランドのヒップホップ版みたいな!そこのステージでは毎回イケてるラッパーがライブするみたいなのとか!

レペゼン:
それ最高ですね!

ELIONE:
これは自分一人では実現できる事じゃないし、もちろんさっきの夢にしても多くの人に助けてもらうん必要があるんですけど、よりみんなで夢見ようよって感じだったらこういうの面白くないですか!

レペゼン:
それこそみんなで叶えたいですね!!ELIONEさんの想像力、激アツです!!
では、直近の目標というかやりたいことはありますか?

ELIONE:
近い目標だったら今年から来年にかけてワンマンをやる事です。

レペゼン:
お!!これはまたアツい!!

ELIONE:
これは、夢じゃなくて目標なんで。やります。

最後に

レペゼン:
だいぶアツい話が聞けて、楽しいところですが、インタビューもあと少しです。
ELIONEさんの「座右の銘」を教えてください。

ELIONE:
ラッパーってナルシストなんで、自分のリリックで言うと「俺は俺に倣え(ならえ)。」ですね。
誰かに習って何かをするとかじゃなくて、自分自身の信念に従うって事ですね。

レペゼン:
カッコいい!ここまでのお話が面白かったのは、それがあるからですね!いやぁ、これは、たくさんの人にもパクって欲しい!
最後に告知はありますか?

ELIONE:
まずは毎週木曜日にWREPでラジオをやってるので聞いて欲しいです!
あとは、近日中に新しいアルバムを出すので、ぜひ聞いてもらいたいですね!

レペゼン:
アルバム出すんですね!!絶対聞きます!!
以上でインタビューは終了です。音楽以外にも通じるような話もたくさんあって、とても勉強になりました!今日はありがとうございました!

ELIONE:
ありがとうございました!

 

日本におけるヒップホップは新たな時代を迎えようとしている。しかし、黙ってその時代が来るわけではない。我々の知らないところで誰かが動いている。その大きなメカニズムの細部を理解し、今の自分に何ができるかを冷静に判断し、行動している誰かがいるのだ。

ELIONEはまさにその一人。そして彼の動きはまだまだこの先勢いを増すだろう。
10年後、さらに日本のヒップホップシーンが盛り上がっている頃、ELIONEの名は必ず刻まれることになる。彼のこれからの動きにますます注目していきたい。

前編を読む→

▼ELIONE
Official HP: http://www.elione-official.com/
Instagram: https://www.instagram.com/elione1987/
Twitter: https://twitter.com/ELIONE1987

Interview:ABE HONOKA

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