Interview

2018.6.28 Thu

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レペゼンインタビュー:COMA-CHIが見てきた”日本語ラップ”シーン

結婚、子育て、それでも現場でラップしつずける女性の正体とは

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ラップフリースタイル、などが盛り上がるヒップホップシーンが熱い昨今。
フリースタイルダンジョンがテレビで放送され、ラッパーがライブをするとなればクラブはパンパン。いい時代だ。
しかし、シーンの歴史を紐解いていけば、この盛り上がりは何も最近始まったばかりではないことに気づく。
レペゼンインタビュー第6回目はミュージシャンCOMA-CHIにフォーカス。
話を聞けば、この人がストリートやクラブやラップのシーンの復興の立役者の一人であることは一目瞭然。
結婚、出産を経てもなおマイクを握りシーンを盛り上げ続ける原動力、そして、今後のシーンがどう変わっていくかという未来予測など、説得力の塊のような熱い話を聞いた。

レペゼン:
まずは自己紹介をよろしくお願いします。

COMA-CHI:
COMA-CHIです。
出身は東京都です。レペゼンはどこと言われれば宇宙です。笑
今は葉山に住んでいます。
生年月日は1984年5月11日で、血液型はO型です。
身長は164cm、足のサイズは24.5cm、利き手は右です。
好きな食べ物はタコスとインドカレーです。
嫌いな食べ物は、牡蠣とトロロです。
ちなみに得意料理は煮物です。笑

レペゼン:
趣味はなんですか?

COMA-CHI:
占いをします。人のを見てあげる方ですね。
種類はホロスコープなんですけど、西洋占星術を勉強して習得しましたね。
一番得意としてるのは、人間関係、相性とかで、「気になる人がいる!」っていう人に対して、その相手の生年月日を教えてもらって、どういう風に攻略したらいいか!とか、を見れます。

レペゼン:
占い!ぜひ見てもらいたいです笑
仕事は何をしていますか?

COMA-CHI:
ミュージシャンです。ラップや歌をやってます。

レペゼン:
いつ頃始めたんですか?

COMA-CHI:
最初の曲を出したのが、12年前で22歳ぐらいのときかな。
それがデビューっていうか、そこからプロとしてやってます。

COMA-CHI:
音楽自体は中学の時からやってて、バンドギター弾きながら歌ってました。
両親がミュージシャンで、お父さんがギタリストで、お母さんがボーカルだったから、自然に始めて感じですかね~
「親がやってるから、私もやれんじゃないかなーみたいな」感じで始めました。

レペゼン:
中学生の時とかどんな感じの子供だったんですか?

COMA-CHI:
中3の時とか、太めで腰まである感じのドレッドで学校行ってましたね~笑
もはやBob Marleyボブ・マーリー)みたいな感じで。笑

レペゼン:
怒られなかったんですか?笑

COMA-CHI:
毎日怒られてたけど、学校の校則にはパーマはOK、髪を染めるのはNGって書いてあったから、いや、これはパーマですよって言い張ってて笑
先生も「限度があるだろ!」って言ってきたけど、「それはあなたの尺度であって、私の尺度ではない」とか「私の価値観では、校則の範囲内だと思っています。」みたいなこと言ってました笑

大人からしたら、ムカつく子どもだったと思う…笑
なんでも堂々と正論で返しちゃうから。
MCバトルが好きなのはその時から始まってかもしれないですね。笑

レペゼン:
昔からパワフルだったんですねー笑
バンドの後、ラップ始めたのはいつ頃ですか?

COMA-CHI:
ちゃんとラップを始めたのは19歳の頃かな。
でもその中3の時点でLauryn Hillローリン・ヒル)とか聞いてたので、興味はあって真似したりはしてました。

レペゼン:
高校生の時はどんな感じの子供でしたか?

COMA-CHI:
当時は高校生でもクラブに入れたから、よくクラブに行ってましたね~!
六本木のNUTSナッツ)とか、SIMOONシムーン)とか。渋谷ではVUENOSブエノス)とかASIAエイジア)もよく行ってましたね~

そんなん感じでクラブに出入りする中で、ショーケースでR&Bを歌い始めましたね。R&Bって言ってもヒップホップソウルって言うか、Mary J Bligeメアリー・ジェイ・ブライジ)みたいな感じでヒップホップのビートかけてその上で歌うみたいな。

レペゼン:
高校時代から!すごい!親御さんには怒られなかったんですか?

COMA-CHI:
結構怒られましたね。笑
でも、クラブだからもちろん夜遊びもしてるんだけど、自分の中では、「音楽をやる場所」って言う、目的意識があったから、「私は音楽をやりに行ってます」ってはっきり親にも言ってました。

レペゼン:
なるほど、怒られてもなお、やりたいことを遣り通してたんですね。
そんな幼少期、青春時代を過ごし、ラッパーになったCOMA-CHIさんが、今、最近好きな曲はなんですか?

COMA-CHI:
The Internetジ・インターネット)の「Roll(ロール)」とか、Disclosureディスクロジャー)の新曲の「Ultimatum(アルティメイタム)」ってやつとか、ヒップホップだとJ.Coleジェイ・コール)の「ATM(エー・ティー・エム)」とか好きですね。

レペゼン:
そうすると、ジャンルは限らずに聞いて居るんですね?

COMA-CHI:
そうですね。でも根底にブラックが感じられるものが好きですね。
ハウスでも黒人が作ったハウスとか、ジャズにしても洒落込んだものじゃなくて、土臭かったり、スピリチュアルな感じな曲が好きです。

レペゼン:
やっぱ黒人にしか出せない音楽ってありますもんね~。
では、次は女性としてのCOMA-CHIさんにお伺いします。
男性が多いクラブ業界の中で悔しかったことはありますか?

COMA-CHI:
高校生の後半とかそれぐらいの時、すごくラップがやりたかったんだけど、当時の仲間に「歌うまいんだから、中途半端にラップやんない方がいいよ」って言われて。「中途半端」って言葉にもムカついたし、その「中途半端に」っていう言葉の中に「女の子なのに」っていう意味合いもあったと思うんですよね。
悔しかったけど、認めさせてやろうって思うことはありました。

レペゼン:
今でこそいるけど、その当時は女性がいなかった中で、そう言うモチベーションでやってたんですね。すごいです。

COMA-CHI:
ただただ我武者羅にやってました。

レペゼン:
子供を産んで、一度現場を離れて、ヒップホップの現場戻ってきた時は、どういう心境でしたか?

COMA-CHI:
実は今は「ヒップホップ」にこだわりを持っているわけではないんです。
自分の表現したいことが溢れてくるから、それは忠実に表現していたいっていうのが根底にあって。自分はヒップホップの中で育ってきて、そこでCOMA-CHIっていう私が作られてきたから、そのアウトプットの方法として、ヒップホップというものが自然とあるっていう感覚ですね。

レペゼン:
”自然なこと”ってのがかっこいいです。
歌詞書く時はどんな感じですか?

COMA-CHI:
自然っていうか、あんまり絞り出したくないタイプなんで、絞り出していい曲がかけたっていう覚えがなくて。
「ひらめいて、ひらめいてしょうがない!」っていうフローに乗っかった時にいい曲ができてる記憶があるから、そういうのを大事にしてますね。街歩きながらとか、海散歩したり、家でも書くし。

レペゼン:
歩いてる時思い浮かんだらどうするんですか?

COMA-CHI:
ケータイにメモします!
結構散歩してるときにいい歌詞が思い浮かぶこと多いんですよ~

レペゼン:
子育てしながらだと楽曲制作も大変ですよね?

COMA-CHI:
そうですね。やっぱり昼間はできなかったし。子供が寝た後とかにやってました。最近は幼稚園に行き出したから時間できるようになってけど。
今もっと書きたいのに子供が起きちゃったとか、早く書きたいのに子供が寝ない。とかはやっぱり大変でしたね~

レペゼン:
それでもやめようとは思はなかったんですね?

COMA-CHI:
やめれないんですよ~なぜか笑

旦那さんも、私の曲を好きでいてくれたから、「自分と結婚することで辞められたら困る」って言ってくれて。
「辞めさせたら俺が周りに怒られちゃうよ」みたいな。笑
だから、ライブの時も旦那が子供を見てくれている間に行ったりしてるし、おじいちゃん、おばあちゃんもそうですけど、そういうファミリーのサポートはありがたいですね。そういうので続けられているっていうのも大きいですね。

レペゼン:
理解のある旦那さんですね!
とはいえ同じ業界で周りを見ると、年齢を重ねる度にやめていく人が多くなっていくと思うんですけど、さみしくなかったですか?

COMA-CHI:
もともと、一匹狼っていうか、仲間がいないと何もできないっていうタイプじゃなかったから、そんなに寂しいとかは感じなかったですね。流れに身を任せて、いなくなっちゃう人がいても、今はこういう社会の流れなんだな~って感じて、自分は自分で動き続けてましたね。

レペゼン:
もしラップとか、音楽がなかったら、何していたと思いますか?

COMA-CHI:
美大の付属の中高に行ってて、音楽よりも絵を書くのが好きだったんですよ。
あと、自分で服を作ったりとかしてたし。だから、デザイナー目指したりしてたかな~

レペゼン:
今は絵描かないんですか?

COMA-CHI:
Cycleサイクル)」っていう曲のPVの中でめちゃめちゃ久々に描きました!

レペゼン:
あ、新しいアルバムの!そのアルバム「JOMON GREEN」について聞かせてください。
「JOMON」って、縄文時代の「縄文」ですよね?どうして縄文なんですか?

COMA-CHI:
たまたま写真で「縄文土器(火焔土器)」を写真で見たときに、なんだろう…ハッとした感覚っていうか、「これからはこれだ!」みたいな感覚が湧いてきて。それで「縄文」とか「土器」のことを調べてたら、岡本太郎さんも私と同じ縄文土器を見て「芸術は爆発だ」って言ったっていう逸話があって。
もともと岡本太郎さんは私のインスピレーションの中にいる人だったから、つながるんだなーと思って。それでどんどんハマって行ったんですよね。そうして調べていくと、縄文時代は10,000年もの間、戦争がなかったとか、女性が中心の社会だったとか、すごくメッセージが詰まった時代だなと思って。
ハマって、気がついたらいっぱい曲ができてきたって感じでした。

レペゼン:
へぇ~!縄文時代ってそんな時代だったんですね!
たまたま見た写真から始まってるんですね!どこにインスピレーションが転がっているかわからないですね。

COMA-CHI:
そうですね。その一つの写真との出会いが、新しい世界に連れて行ってくれました。
そっから、一年ちょっとでアルバム作っちゃったし。

 

COMA-CHIさん(@coma_chi)がシェアした投稿

 

レペゼン:
では次は、”ストリート”について聞いて行きます。
今のストリートシーンをどう思いますか?

COMA-CHI:
昔では考えられないほど盛り上がってると思います。ちょっと前まで、バトルとかフリースタイルってものすごくマイノリティのものだったし。ここまで市民権を得られたのはすごいなーと思いますね。
と同時に、私が活躍してたときに流行ってくれればなー!とは思いますけどね笑

当時私は、このシーンが素晴らしいと思ったラップとかフリースタイルとかに、大事な青春時代を使ったわけで。これだけシーンが盛り上がってくると、私が続けてきたこと、この感覚は間違ってなかったんだな。って思えるのも嬉しいです。
もし、いまだにヒップホップがマニアックでアンダーグラウンドなカルチャーのままだったら、私も何やってたんだろうって思うかもしれないけど、市民権を得たことで、未来につながるような何かをやってこれてたんだなって思えるから、シーンの盛り上がりはポジティブに受け止めてます。

レペゼン:
具体的に最近のシーンのここがすごい!っていうのはありますか?

COMA-CHI:
マルチっていうか、自分でなんでもやっちゃう子が多くてそれはすごいと思いますね~
Amaterasアマテラス)君とか、映画も作ってるって聞いて、未知の可能性っぷりが、マルチな才能がすごいなーって思いました。海外だとAmineアミーネ)っていうラッパーが好きなんですけど。彼もプロデュースから何もかも全部自分でやるんですよ。そういうマルチな、ストリートマルチクリエイター見たいな人が日本にもこれから増えてくるんだろうな~って彼らを見て感じましたね。

レペゼン:
そういうシーン変化もポジティブに受け入れてるんですね!

COMA-CHI:
私はメジャーになったけど、2年ぐらいで辞めちゃって、ちょうど辞めたときにSNSが出始めてきてて、これからは自分自身に忠実に、シンプルやりたいことをやっていける時代だなっと思ったんです。
そっから自分のレーベル立ち上げて、自分のやりたいことだけやってるから。こういう変化は嬉しいですね。
これからもっとシンプルに自分がやりたいことを表現して、繋がりたい人と繋がって、楽しいことをやっていくっていだけの世の中になって行くと思います!てか、もうなってるし!

COMA-CHI:
最近面白いなって思うのは「美の価値観」とかも変わってきてるって思ってて。
Chaiチャイ)とか、DJ YUKIJIとか、ネオカワイイっていうか、美の価値観を覆してて。
今までだったら、綺麗な枠に入ってなかったんだけど、そういう子達もピックアップされるようになってきてる。
でもそれって、なんでそういう枠があったかって、雑誌とか広告とかの大きい会社が、大きい目で西洋人っぽい、いわゆる可愛い人たちを推してたから、それを見る人たちは、それじゃなきゃいけないんだって、みんなそれを追っかけるように、つけまとか整形をして頑張ってきたんですよ。
でもSNSができて、一人一人が発信する時代になってくると、ChaiとかYukijiとかが、堂々と自分自身を表現していくようになって、まわりが、それいいじゃん!ってそこに同調すると、それがスタンダードになってくる。だから、美の価値観が変わってくるのは間違いです。
今まで「流行りの美」を作ってきた、大きい会社の影響力が下がってくると思いますよ。以外としぶといけど笑

レペゼン:
なるほど、確かにその通りですね!!
その大きいものに左右されずに、自分がいいと思うものをストレートに受け入れられる時代の到来ですね!

COMA-CHI:
渡辺直美があんなに太ってるのに人気があるのもそうだし。これまででいう”THE カワイイ”みたいな顔に生まれてこなかった人たちも、暗くなったり、整形したりしないで、おしゃれに写真とって発信して行っていいんだと思える時代ですね!
だから、すごくワクワクします。

レペゼン:
我々も受け入れる側として、そういう変化に寛容でいたいです。

COMA-CHI:
どれだけ目が慣らされてるかも重要だと思います。毎日テレビばっかり見て、THE カワイイっていう女の子ばっかり見てると、その人の価値観はそこで固まっちゃう。そうじゃないことがSNSでは行われているから、。個人が発信して、個人がフォローして、大きい会社の選択に毒されていないものが、大きくなっていく。
革命ですよ~

レペゼン:
いやーメディアをやっている我々が、SNS時代の全容を教えてもらった気がします。笑
ありがとうございます!
インタビューもあと少しです。ズバリ、座右の銘はなんですか?

COMA-CHI:
縄文バイブス!笑

レペゼン:
さすがです!これからも”縄文”を掘り下げるんですか?

COMA-CHI:
アルバムを作って一つ掘り下げたので、もう一歩掘り下げたいなーと思ってます。
当時の音楽をリアルに聴くことはできないし、想像でしか作れないんですけど、逆に想像で作れる「ネオ縄文」みたいな楽曲を作りたいですね。
考古学 × 音楽じゃないけど。そんな感じで作りたいですね。

レペゼン:
今後もCOMA-CHIさんから溢れる”縄文バイブス”楽しみにしています。
最後に、告知はありますか??

COMA-CHI:
その”縄文”のアルバム「JOMON GREEN」が絶賛発売中です!
ライブは7月22日(日)に葉山の海の家Oasis(オアシス)でやります!ぜひきてください!

レペゼン:
ありがとうございました!!

 

 

過去、現在、未来。移りゆく社会の動き。そんな壮大すぎて目を背けてしまいがちなものも、彼女の頭の中では、全てが綺麗に描かれていた。
どんな角度からの話も全てが腑に落ちるのは、彼女が常に当事者として音楽と向き合い、自らの気持ちに正直にアウトプットしてきたからであろう。
やりたいことを、やり続ける。シンプルだけど難しいことを第一線で続ける一人の母の懐はどこまでも深く、希望に満ちている。これからストリートシーンはますます盛り上がる。彼女の言葉に強い説得力を得ることができた。

 

COMA-CHI 
Instagram:coma_chi

 

日本のストリートをレペゼンしよう。

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