自身の活動について、ヒップホップシーンについて/ACE インタビュー⑤

メディアに出る覚悟、稼ぐためには

ライター:レペゼン君

レペゼン:
MCバトル以外にも、メディア露出、ラップスクールの先生、渋谷サイファー、アドレナリンMCバトルのオーガナイズなど本当にマルチに活動されてますけど、何か特別な思いとかはあるんですか?

ACE:
ありますね。アドレナリンなんかは駆け出しの頃からのイベントで、仲間達もそこで出来ました。今のダンジョンの同世代のメンバーもみんなアドレナリン出てくれてたし、他にもそういうイベントって沢山あると思うけど、俺からするとアドレナリンが一番思入れがあります。

レペゼン:
なるほど。そこで仲間ができた大切な大会なんですね。ラップスクールにはどんな思い入れがあるんですか?

ACE:
ラップスクールと渋谷サイファーもそうなんですけど、当時まだフリースタイルダンジョンとかがやってなかった時から活動してて。
ラップを知らない一般人でも全然楽しめるんだ!って知らしめたい。不良の文化でもあるけど、もっと良いものなんだよって伝えたいと思ってやってました。

レペゼン:
なるほど。

ACE:
別にサラリーマンがラップしたって良いじゃんって。

レペゼン:
確かにそうですよね。その熱い想いしっかり届いてます。
一方で、MCバトルを見ていると、ディスし合うのが基本なんで、本当に仲悪くなったりしないかな?って不安なんですけど、そういうことはあるんですか?

ACE:
物によります。過去に仲悪くなった人もいます。「お前それ言うなよって言っただろ」とか、後から何言っちゃってんのみたいな感じとかはありますよ。

レペゼン:
少しはあるんですね…やっぱりメディアに写っているところが全部じゃない。だから面白いんですけどね!
今までやって来た中でこれヤバかったなって思う自分のベストバースとかあります?

ACE:
いやーいちいち覚えてないなぁ。
あー…でも、戦極MC Battleの2on2で、弟のLuizと組んでやった時に、相手に「ブラジル語でラップしてみろよ」って言われて、「ブラジル語?うんん、違うよポルトガル語!」ってアンサーは周りからよく「あれいいねー」って言われますね。

レペゼン:
あれは爽快でしたね!
相手とか組んだ仲間とかで、掛け算みたいな感じで、面白くなるとかありますか?

ACE:
ある程度、実力ある人とやれば、掛け算にはなるっすよね。でも、ここまで来るとシーンも成熟し始めてきてるから、そういう意味ではみんな実力ありますよね。

レペゼン:
確かに。

ACE:
だからある意味で停滞期なのかな。そこの壁を抜けてからじゃないと分かんないなぁ…
今はみんなレベル高いから、良い意味で誰とやっても同じじゃんって感覚が自分の中ではありますね。

レペゼン:
レベルが上がれば、また悩みも増えますね…

レペゼン:
今のヒップホップシーンをどう思いますか?

ACE
本物と偽物も上手く相まって、マイナーではなくなって来てるし良いんじゃないですか。本物、偽物、どっちにもファンがちゃんと付いてて、良い相乗効果になってるんじゃないかな。

レペゼン:
なるほど。

ACE
ヒップホップって、ファッションとかアートも絡んでくる根深いカルチャーなので、ラップだけでは一概には言えないですけど、ここからもっと大きくなれば良いと思います。

レペゼン:
その通りですね。

ACE
ただレベルの低い事だけはやらないで欲しいなって。

レペゼン:
レベルが低いというのは?

ACE
メディアとかに取り上げてもらってる人たちが捕まちゃったり。またそれをTwitterとかで書いちゃったり。そういうことですね。

それって結局、自分達の足を引っ張ってるのと同じだから、シーン全体を考えたらメディアに出る覚悟をした人は、そういう事だけは大人になれよって思います。

…続く。

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Interview:ABE HONOKA

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