Interview

2019.10.3 Thu

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Red Bull 3Styleから現在までの軌跡/DJ IKU④

”お茶の間感”が広がってきた今のDJ界

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これまでに語られたDJ IKU(イク)が「Red Bull 3Style(レッドブル・ス リースタイル)」で優勝するまでの苦悩の連続。しかし、そこを乗り越えた男に今、怖いものはない。今や、世界を舞台に活躍するDJ IKUが、どこで、何を想い、どう活躍しているかにフォーカスしていく。「職人=DJ」の心技体を心得よ。

レペゼン:
レッドブルの大会にはどういう気持ちで臨んだんですか?

DJ IKU:
それまでDMC中心にやってきたのもあって、俺がやってたDJって男臭い超マイノリティーな感じだったんですよ。でも出場の誘いを受けてコンセプトを聞いたら、テーマが「パーティーロック」で、オーバーグラウンドの感じだったんですよ。

レペゼン:
ガラッと変わったんですね。

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DJ IKU:
だからこの大会に出るってのが、結構勇気が必要だったんですよね。なぜかって言うと、オーバーグラウンドでやる事に対してヘイターが出てくるだろうと思って。だから正直結構迷いました。

レペゼン:
確かにそれまでアンダーグラウンドだった分、ヘイターが出てきそうですね。

DJ IKU:
でも、優勝しちゃえば誰も文句言わないと思って出る事にしました。

レペゼン:
間違いないですね!!

DJ IKU:
案の定、今ではいろんなターンテーブリストみんなめっちゃ出てますしね!

レペゼン:
今や超ビッグな大会ですよね!

DJ IKU:
後、パソコンでDJするってのも、ちょうどこの大会に出るって決めてからやり始めたんですよ。

レペゼン:
もうそれまではずっとアナログだったんですか?

DJ IKU:
そうなんです。その前の2008、2009年ぐらいがSerato(セラート)のパソコンでDJやるためのインターフェースが日本でも発売し始めた頃で。その頃にあったDJの大会で準優勝した時に、景品でもらってたんですよ。

レペゼン:
そうなんですね!じゃ、しばらく使ってなかったってことですか?

DJ IKU:
いや、その時はお金ない時代だったし、パソコンも持ってなかったから、「こんなのいらねー」ってすぐに売っちゃったんですよね!笑

レペゼン:
ヤバい。笑

DJ IKU:
もしその時から使ってたら、先駆者じゃないけどかなり最新のDJになれてたはずだったんですけどね。笑
売った金で電気代とか払ってた記憶が残ってます。笑

レペゼン:
もったいないけど、しょうがないですね。笑
当時はパソコンでやるって事に対してもヘイトする人はいたんですか?「DJはアナログだろ!」みたいな。

DJ IKU:
いましたね。というか俺もその1人でした。

レペゼン:
なるほどー。やっぱり時代が変わって新しいものが出てくると、そういうことは付き物なんですね。
レッドブルの大会以降、生活は変わったんですか??

DJ IKU:
2010年は優勝してすぐはそこまで変わらなくて、その1~2年後くらいから少しずつ呼ばれるようになりましたね。Red Bull 3Style(レッドブル・スリースタイル)って大会自体が、年を追うごとに有名になっていったから、その初代チャンピオンってことで後からじわじわと来た感じです。

レペゼン:
なるほど。ようやくシーンが追い付いて来たって感じですね!!
精神的に何か変化したことはあるんですか?

DJ IKU:
「パーティーってものがあるんだ」って。気付くことができましたね。それまでは本当にDJバトルだけだったので。

レペゼン:
確かに同じDJでも全然世界が違うイメージです。バトルってどちらかと言うと家に引きこもって、ひたすら練習してるってイメージです。

DJ IKU:
そうなんですよ。だからバトル時代はめっちゃ友達減りました。笑

レペゼン:
そうだったんですね。笑

DJ IKU:
ちょうど20代前半とかで、飲み会たくさん誘われたりしたけど、全部断ってました。「その金あったらレコード買うわ!」みたいな生活してたから、かなりトガッてましたね。心の中で全員に中指立ててましたもん。笑

レペゼン:
相当なトガり具合ですね。笑

DJ IKU:
でも、優勝して気付きました。自分がやって来たことは間違いではなかったんだけど、それだけじゃないって。

レペゼン:
世界が広がったんですね。

DJ IKU:
パーティーも面白いなって思いました。テクニックで1番になれば誰よりも偉いって思ってたら違ったみたいな。それに気付けたのは大きかったですね。

レペゼン:
最近の活動について教えてください。

DJ IKU:
比率で言ったら、週末のナイトクラブで活動する事が多いですね。あとはブレイクダンスとかBMXとか、ストリートカルチャーとミックスしたイベントからも声がかかることも多いです。

レペゼン:
フリースタイルバスケもそうですよね?

DJ IKU:
そうそう。ZiNEZ(ジンジ)とTATSUYA(タツヤ)と俺で昔はチーム組んでましたね。

レペゼン:
そうだったんですね!

DJ IKU:
そういう所でのDJも、ただ呼ばれたから何となくやるんじゃなくて、カルチャーは音楽が付き物だから、日本のこれからのシーンもDJでリードしようと思ってやってます。例えばブレイクダンスだったらB-BOYソングとかあるように、フリースタイルバスケならどういう音楽が盛り上がるのかとか、流れを作ってしまいたいなって。

レペゼン:
そんな熱い気持ちでやってるんですね!!

DJ IKU:
そういう事はすごい意識してやってますね。

レペゼン:
すごいです!
逆にDJをしてて辛かった事はなんですか?

DJ IKU:
高校までのサッカー少年時代のトレーニングがすごかったから、それに比べたらDJの技術を今のレベルまでにしてきたのは辛くなかったですね。笑

レペゼン:
逆にサッカー時代のフィジカルトレーニングはそんなにキツかったんですか?

DJ IKU:
全国でも有数の走る学校だったので。

レペゼン:
相当絞られてきてたんですね。

DJ IKU:
そうですね。それに、競争率もサッカーに比べたらDJバトルはだいぶ低いですし。

レペゼン:
いやいや、優勝するって、相当な競争率を勝ち抜いてるじゃないですか!!

DJ IKU:
まあDJをやってて辛かった事はないのかな。強いて言うならさっき話した、何も変わらない日々が悶々としてたってぐらいで、基本的には楽しいって気持ちでやってこれてるので!

レペゼン:
すごくいいマインドです!!
辞めようって思った事は1度もなかったですか?

DJ IKU:
辞めようと思った事はないですね。家に帰ったらワンルームで、DJブースとレコードでびっしりの部屋だったから、嫌でも向き合うって感じでしたし。笑

レペゼン:
嫌でも向き合わなきゃいけない環境だったんですね。
現在、家で使ってる機材はどんな物を使ってますか?

DJ IKU:
Technics(テクニクス)のターンテーブル2台とPioneer(パイオニア) DJのS9。あとはミックスを作る時はPioneerのCDJ 900nexus2を2台使ってますね。

レペゼン:
なるほど。曲はどんな感じでディグってますか?

DJ IKU:
DJcity(ディージェーシティ)は2日に1回くらいはチェックしてるし、それに付随して好きな曲があったらThe Artist Union(ジ・アーティスト・ユニオン)かBandcamp(バンドキャンプ)、SoundCloud(サウンドクラウド)でリミックス物をチェックしますね。あとはエレクトロ系とかドラムンベースとかをチェックする時はBeatport(ビートポート)をたまに活用してます。

レペゼン:
今の日本のDJシーンについてどう思いますか?

DJ IKU:
ヒップホップが流行ってる事自体は良い事だと思うし、それに付随してナイトクラブのパーティー以外のDJにも現場が均等に増えてきたと思います。俺が出てるストリートカルチャー系のイベントなんかも、今はみんなが結構やり出してるし、地域のお祭りとかでもDJの仕事があったりしますし。

レペゼン:
DJを目にする機会は確実に増えてますよね!

DJ IKU:
テレビへの露出なんかも増えてきてますしね。だから現場自体は”お茶の間感”が広まってきてる気がして悪くはないなって思いますね。

レペゼン:
全体的に底上げされてきてますよね。

DJ IKU:
そうですね。明日にでもDJ始められるような時代になってきてますよね。

レペゼン:
機材さえあれば誰でも始められるって事ですね?

DJ IKU:
ただそれはもちろん良い事なんだけど、その反面、職人としてのDJの姿も見せたいですね。すぐに始められるけど、掘り下げると実はかなり奥が深かったりとか、歴史があったりとかそういう部分もみんなに知ってもらいたいって気持ちもあります。

レペゼン:
入口が広がる事は良いですけど、そこからもっと奥まで見てもらえるようになるとより良いですよね!

DJ IKU:
使い捨てというか、ファッション感覚でDJ始めて、すぐ現場もらって2~3年後もう引退しますって人も結構いますけど、使い捨てる物にはして欲しくないなって思います。

レペゼン:
ノリでちょっとやろうかなって感じの人も今は多いですもんね。

DJ IKU:
そうですね。俺はそういうのはあんまり好きじゃないかな。

レペゼン:
お茶の間に広まったものを守って行くって事もこれからは大切ですね。

DJ IKU:
そうですね。だから両方のベクトルが必要ですね。すぐに始められる気軽さと、職人としてのDJの姿を守るっていう両方を進めて行きたいですね。

…続く。

DJ IKU Instagram:dj__iku

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