Interview

2020.5.28 Thu

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レペゼンインタビュー:都賀 彰信「日本でDJcityを背負うこと」

音楽の権利にまつわる仕事。そして、Beatsource(ビートソース)とは。

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やんちゃもした、周りにも怒られた。でも今は周りの人に、出会いに感謝する日々。ヒップホップとはそういうことなのかもしれない。

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DJcity Japan都賀彰信(ツガ アキノブ)のインタビュー後編は、そんな彼の仕事について。クラブの現場からPCで聞く音楽に到るまで、アーティストお金が入るってこういう仕組み。あなたが音楽を楽しめるのはこんな仕事があるからだ。

都賀彰信の仕事について

レペゼン:
仕事について聞いていきたいと思います。先程から出てきているレコードプールについては、何となくは分かってるって人も多いと思いますが、実際に事務所ではどんな事をしているんですか?

都賀 彰信:
具体的に言うと、音楽の管理って部分は本部のアメリカが全部やってます。サイト自体も一緒で、メインの管理はアメリカがやっているんです。じゃあ、自分は何をやっているかと言うと、会員制さんの情報管理、つまり顧客管理ですよね。

レペゼン:
なるほど。

都賀 彰信:
新規の会員登録の対応や、そのデータの管理をしてます。あとはDJcityのサイトには、日本語の楽曲や日本人がリミックスした曲もあげられるので、DJさんと連絡を取り合って、リミックスを預かって、審査する所に渡すって仕事もしています。

レペゼン:
なるほどー!!例えば最近、テレビでもヒップホップやラップの露出が増えて来てると思うんですけど、そのタイミングで登録者数が増えたなっていう事はありますか?

都賀 彰信:
実はトレンドによる会員数の激増みたいのって、特にないんです。たぶんDJcity上にまだまだ日本語の楽曲が少ないからってのもあると思うんですけど。

レペゼン:
なるほど。

都賀 彰信:
増えるタイミングで言うと、本当に微々たる物なんですけど、夏場ですね。予想ですけど、夏は普段DJやってない人も、DJをやったりとかで音が必要になるのかなって思います。

レペゼン:
夏なんですね!

都賀 彰信:
今まで休止してたけど、またちょっとやりたいですって人が出てくるのも夏場だったりしますね。

レペゼン:
それは面白いですね!ちょっと質問攻めになってしまいますが…
レコードプール業界における、DJcityの強みは何だと思いますか?

都賀 彰信:
強みはDJcityというブランドですね。何故かと言うと、元々は本部のアメリカで作られて、そこから広まったサイトで、今や全世界で展開してるんですよ。支部もアメリカ国内だけでも沢山あり、中南米やドバイ、アジアでは日本以外にマレーシア、台湾、タイにも出来ました。

レペゼン:
すごい大きい組織ですよね。

都賀 彰信:
ヨーロッパだと1番大きい支部はイギリスで、他にもドイツやフランス、イタリアと他にも各国に支部があることでのブランド力、コミニュケーションネットワークといった部分ではすごく大きい物に発展しているってのは強みですよね。

レペゼン:
確かにそうですね。世界中を網羅してますね。

都賀 彰信:
あとはアンダーグラウンドに配信してるのではなく、レコード会社と契約をした上で楽曲配信をさせてもらってるんですよ。実は他のレコードプールって、うちのように権利の部分でしっかり契約をして配信してるって所は、ほとんどないって認識なのでそこも強みですね。

レペゼン:
そうなんですね。合法的にと言うか、レコード会社ともしっかりとした契約を交わされているんですね。

都賀 彰信:
なかなか一般の人では分からないとこですけどね。

レペゼン:
音楽の権利は大切ですからね。
その契約はどう結んでるんですか?

都賀 彰信:
契約は全部アメリカ本社ですね。ソニーミュージックの本社やユニバーサルの本社なんかと直接契約をしています。

レペゼン:
すごいですね。話がビッグです!!
ちなみに日本人の楽曲を契約する場合も、間には入るけど契約自体はアメリカに本社がやるんですか?

都賀 彰信:
日本人の楽曲に関しては、その場でアーティストに確認する形をとっています。”DJcityをアーティストのプロモーションに使ってもらう”と言う形をとってるんですよね。

レペゼン:
プロモーションですか。

都賀 彰信:
例えば、アーティストがうちに楽曲をあげたからと言って、アーティストにお金が入るかと言ったら入らないんですよ。でも、うちのサイトにあげることによって、世界から認知される事はありますよって前提であげてもらうので、その前提をアーティスト本人に確認しているんです。

レペゼン:
おーなるほど!その前提で「曲上げたい」ってなるのが、DJcityとしてのブランド力ですよね。DJcityに上がってるから聴いてみよってなる訳ですからね。またまた話は変わりますが…普段はどんな事を心掛けて仕事をされていますか?

都賀 彰信:
自分はコミニュケーションマネージャーって言われる立場なので、どんどん新しいDJも出てく中で、色んなクラブに行ってそういう人と出会うのも仕事だと思ってるので、自分を通してDJcityをみんなに認知をしてもらおうってことは常に心がけてますね。

レペゼン:
コミニュケーションマネージャーとしては大切な事ですね。

都賀 彰信:
それがパーティーを通してでも良いし、とにかくDJcityを認知してもらう。新しい人が出てきたら、どんどん関わりを持ってさらに認知してもらうってのは考えてますね。

レペゼン:
もしDJcityに就職したいって人がいるとしたら、現在募集はしているんですか?

都賀 彰信:
自分達は少数制でやってるってのもあるので、広く募集しているわけではないです。でも全く募集していないって訳でもなく、何かコンテンツをやるっていう時に、必要だねって思える人材に限りますね。

レペゼン:
何か特出した魅力がある人って事ですね。それは技術的な事ですか?

都賀 彰信:
技術的な面もそうですけど、人間的な部分もですね。例えば、英語が堪能であるとかもそうなんですけど、でも既に英語が話せる人間は社内に何人もいるので、それ以外に何ができますかってなりますよね。

レペゼン:
そうですね。

都賀 彰信:
その時に、自分はこういう事が出来ますって事があったとして、それが今後うちがやろうと思ってるコンテンツにマッチすれば採用する事もあります。これは僕の判断ではないですけどね。

レペゼン:
なるほど。こういう業界に興味がある人も今後増えてくるかもしれねいですけど、そもそもどうやって入るのかとか分からないですからね。

都賀 彰信:
常に開いてる門でもないので、やりたいってなった時とうちが求めてる時のタイミングが合致するか、ってのも重要ですよね。

レペゼン:
運も実力のうちですもんね!
DJcityとして色んな音源を管理している中で、昔と今で音源のディグり方って変わってきていると思いますか?

都賀 彰信:
昔はレコード屋さんに行って、レコードをディグるってことをしてたと思うんですけど、今の子たちは好きじゃなければそこまではしないですよね。でも、インターネットがこれだけ普及しているから、音楽を探すってなればネットで探せば良いので、そこは時代の流れを感じてます。

レペゼン:
何でもインターネットで探せる時代ですからね。

都賀 彰信:
DJcityってダウンロードサイトもありますけど、他にもストリーミングサービスもあるし、そういった部分でもすごい変わってきてるなと感じてます。

レペゼン:
現場で自分のエディットかけてるDJがいて、カッコいいと思ったらDJcityに載せないですかって声かけたりするんですか?

都賀 彰信:
全然あります。例えば、このリミックスなんだろって思ったりしたら、知り合いのDJに紹介してもらって、自分で楽曲制作してるって分かれば、審査は必要だけどDJcityにあげる事もできるから、気軽に声かけてねって言ったりはしますよ。

レペゼン:
やっぱりそういう事もするんですね!!
次は仕事において辛かった事と、逆にこんな時は嬉しいって事を教えてください。

都賀 彰信:
仕事において夜の部分で言うと、飲みすぎちゃう事ですね。笑

レペゼン:
ご自身でお酒は強いと思いますか?

都賀 彰信:
普通だと思ってます。

レペゼン:
二日酔いが辛いとかはありますか?

都賀 彰信:
辛いです。

レペゼン:
ちなみに酔うとどうなるんですか?

都賀 彰信:
ただのパーティー野郎になります。笑
なんか楽しくてしょうがなくなっちゃいます。

レペゼン:
良いですね。笑
本当に天職ですよね!現場からも愛されてる感が伝わって来ますし!!

都賀 彰信:
色んなDJと繋がって、その中にはリミックスとか作ってる人もいて、DJcityに曲を上げてる人もいるので、別に自分が偉い訳じゃないけど、現場に行くとやってて良かったなって思いますよね。DJがハッピーになる事を、これからも手伝えたら良いですよね。

レペゼン:
アーティストの支援やイベントの企画など、現場との関わりについて重視している事はありますか?

都賀 彰信:
結局は仕事も人の繋がりで、自分は頭が切れる方でもないし、嫌な奴って思われたら仕事にもならないので、そういった意味で重視しているのは人間性ですかね…
悪い意味では八方美人って言われるかもしれないけど、人との付き合い方は大事にしようとは思いますね。

レペゼン:
なるほど。

都賀 彰信:
DJcityの看板もあるので、心掛けてやらないといけない部分ですね。

レペゼン:
DJcityの人間としての責任もありますよね。

都賀 彰信:
自分も人間なので、時には酔っ払ってやらかす事もあるんですけど、その時はもう全力で謝りますね。笑
何でカバー出来るかって考えたら、謝る事と人間性の部分で補うしかないかなって思います。笑

レペゼン:
人間らしいところも素敵です。笑

都賀 彰信:
イベント企画やアーティスト支援の部分では、もっと頭を働かせないとなって思うとこはありますね。クリエイティブな考えや、先を見据えた考えなど、もっと色んな事を考えられるようにはならないといけないですね。

レペゼン:
まだ仕事を始めたばかりで慣れていなかった頃の都賀さんに、今の都賀さんから一言アドバイスをするとしたら何を言いますか?

都賀 彰信:
脳みそは若い内に使えてって言いたいですね。笑

レペゼン:
もっと頭を使えと。笑

都賀 彰信:
今の仕事に就いたばっかりの頃って、上から言われた事をやるってのが基本だったし、特に自分で考えて発言とかしてこなかったんですよ。逆に今は自分から色々と言わないといけない立場になってきてるので、そういう意味でも若い頃から頭を使う事をしてれば良かったですよね。笑

レペゼン:
なるほどー!でも働き方が変わってくるところも、都賀さんの柔軟さなんでしょうね!

日本のストリートシーンについて

レペゼン:
ストリートについて聞きたいと思います。今の日本のヒップホップとかストリートシーンについてどう思いますか?

都賀 彰信:
テレビやSNSを通して分かってる通り、日本語ラップはすごい盛り上がりを見せてるし、良い事だと思ってます。そういう意味でもDJcityをもっと盛り上げたいですね。

レペゼン:
最近では本当に盛り上がってますよね。

都賀 彰信:
DJcity Japanって「Japan」が入ってるので、日本に特化した事をしたいです。アーティストありきで曲もあるし、レーベルもあるので、難しい部分もあるんですけど。これは会社でもずっと言われてる事だし、自分も賛同してます。

レペゼン:
なるほど。

都賀 彰信:
そういえばBeatport(ビートポート)とDJcityがコラボした会社でBeatsauce(ビートソース)というのができたんですよ。

レペゼン:
おお!

都賀 彰信:
その中でもオープンフォマットDJ向けのDJストリーミングサービスのBeatsource LINKが始まりまして。これは今までよりもさらに幅広い音楽を扱う流れになっています。これが広まれば、アーティストにもお金が入る流れになります。

レペゼン:
おお、すごそうですね!

都賀 彰信:
今後日本のアーティストを世界に発信していくって意味ではBeatsauceの方が力になる思います。そういった意味でも、今のヒップホップやストリートカルチャーが盛り上がるのも応援したいですね!

ストリートの定義

レペゼン:
ストリートの定義とは何だと思いますか?

都賀 彰信:
”生き様”ですかね。さっきのカルチャーの話じゃないですけど、人によって表に出す物って違ってくるけど、それはその人の生き様が表れるものなので、そこかなと思います。

レペゼン:
その人から滲み出るものみたいな感じですよね。

都賀 彰信:
それが作ってるものかも分からないですけど、誰もがそれを自分のブランドにして売ってると思うんですよ。それは生まれてからの自分のバックボーンにあると思うんですよね。

レペゼン:
そうですね。

都賀 彰信:
それぞれ背負ってきてる物や生き方、発信の仕方も違ってくるし、もちろん作り上げてきた物も違うので、それら全てを含めた生き様がストリートのって言うか、そう言う概念だと思います。

レペゼン:
そう言う意味では、都賀さんも本当にストリートですよね。しかも、それを人との関わりの中でしっかり提示してもいる。さらには周りの人がそこに理解を示していますし。

都賀 彰信:
何だろう。ただただ、人と関わり合うのが好きなんですよね。別にストリートって認識せず生きてきてますけど、みんなでこういうことしよぜっての好きだし、だからクラブにも行くし、クラブでも繋がるし、そういう中で今の仕事ももらってきていると思ってます。

レペゼン:
クラブもそうですけど、やっぱり一期一会ですよね。

今後の動き

レペゼン:
今後どんな動きをしていきますか?

都賀 彰信:
個人的には、結局自分ってパーティー好きだなって思ってて、もっとパーティーをして行こうと思います!

レペゼン:
なるほど。いいですね!

都賀 彰信:
それは自分自身のパーティーというより、DJがハッピーになる様に、クラブでの1つのコンテンツとしてのパーティーも含めですね。

レペゼン:
イベント企画的な感じですか?

都賀 彰信:
イベント企画はもちろんです。イベントをやるってなったら、DJもブッキングする事になりますよね。そうなるとDJからしたら現場があるって事はハッピーな訳だから、それも踏まえた上で自分が好きな事って言ったら、やっぱりパーティーだってなりますよね。笑

レペゼン:
そうですね。笑

都賀 彰信:
人と付き合うのも好きだし、ワイワイするのも好き、そうなってくるとなんですか?パーティーですよね。笑

レペゼン:
チェイチェイボーイですね。笑

都賀 彰信:
それにプラスで、コンテンツとしてクラブがハッピーになる物を提供できたら、みんなハッピーに出来ますよね。そういう部分は、今の自分にとってとても大切に思ってるところですね。今までもやってきましたけど、より一層自分発信で周りを巻き込んでやろうと思います。

レペゼン:
楽しみにしています!!

夢・野望

レペゼン:
もう少し大きな話になるんですけど、都賀さんの野望や夢を教えてください。

都賀 彰信:
幸せな家庭を築いて、不自由のない暮らしをしたいです。笑

レペゼン:
完璧です。笑

都賀 彰信:
そして、今の仕事を何歳までやるのかは、想像がつかないですけど、今は好きだからやるし、それにプラスで実家もちゃんと継ごうって事ですね。笑

レペゼン:
なるほど。笑

都賀 彰信:
都賀家を18代目で終わらす事はしないで、ちゃんと残して行くぞって。笑
まだ親父も母親も健在だから、元気な内に家の事も何が出来るか考えないといけないですね。

レペゼン:
長男としての使命ですね。

都賀 彰信:
正直、実家の山と畑で東京ドーム10個分ぐらいあるんですよ。笑
普通の家だったら、もう少しのほほんと考えていられるけど、そうはいきませんからね。

レペゼン:
東京ドーム10個分ってすごいですね。笑

都賀 彰信:
そうなんですよ。代々受け継いできた物なので、捨てる訳にもいかないし、自分も管理していかないといけませんからね。

レペゼン:
その感覚は受け継ぐ人にしか分からない事ですよね。

都賀 彰信:
実家帰ると婆ちゃんが、後継はあんたしかいないんだからって泣くんですよ。笑
だから婆ちゃんに泣かれると、俺も頑張らないとって思いますよね。笑

レペゼン:
お婆ちゃんを悲しませたらダメですね。笑

座右の銘

レペゼン:
座右の銘を教えてください。

都賀 彰信:
「温故知新」ですね。昔お婆ちゃんにしっかり覚えなさいって言われた言葉ですね。

レペゼン:
古きを温ねて新しきを知る、ですね。

都賀 彰信:
自分の解釈かもしれないですけど、経験してきた古き物を今の新しい形に変換して行く、って意味で大事にして行こうと思います。

レペゼン:
おお!素晴らしいです!

都賀 彰信:
人によっては、ずっとやってきた古い物を新しい人達にも押し付けたりしますけど、時代は常に流れてるし、自分が経験してきた物を今の新しい時代にどう変換して伝えて行くか、与えて行くかってのは考えています。

レペゼン:
さすがです!!

告知

レペゼン:
最後に告知は何かありますか?

都賀 彰信:
先ほども話しましたけどBeatsauce LINKって新しいオープンフォマットDJ向けのDJストリーミングサービスができたので、ぜひみなさんに利用して欲しいですね。今はrekordboxだけの対応となっていますが、年内にSeratoなどでも使えるようになる予定です。今までのDJcityより、更に幅の広い音源を提供できるサイトになるって自負がありますので、楽しみにしていてください!

レペゼン:
楽しみですね!

都賀 彰信:
あとはDJcityで今後パーティーもやって行くので、チェックして遊びに来てください!
みんなでチェイチェイ乾杯しましょう。笑

レペゼン:
期待してます!ありがとうございました。

あなたの日々の仕事、そこに意思はあるか?
都賀の言葉の一つ一つに力強さを感じた理由がインタビューを終えた後わかった。そこには大いなる意思があるのだ。裏を返せば仕事に「やらされてる感」が全くない。

屈託のない笑顔、素直さ、そして自ら動く意思。僕たちの音楽を支える人間がこういう人でよかった。ストリートの未来は明るい。

 

都賀彰信 Instagram:tsuga_cheycheyboy

Interview by : bullmatic

日本のストリートをレペゼンしよう。

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