レペゼンインタビュー:都賀 彰信「DJcityの中の人」

農家出身の男が、東京でパーティーを打つようになるまでの話。

ライター:レペゼン君

クラブで楽しく遊ぶための3つの重要なポイントは、「美味しいお酒」「仲のいい友達」そして何より「最高な音楽」である。しかしこの音楽、クラブで遊ぶあなたの耳元に届くまでに、たくさんの人の手を介されていたことをご存知だろうか?

レペゼンインタビュー第33回目の今回は、レコードプールDJcity Japanの中の人、都賀彰信(ツガアキノブ)にスポットライトを当てる。前編はまずその男の正体から。男の価値は、「過去に何をしたか」ではなく、「過去を乗り越えて、今何ができるか」ここで決まる。

自己紹介

レペゼン:
まずは自己紹介をお願いします。

都賀 彰信:
都賀彰信です。通称チェイチェイボーイです。

レペゼン:
チェイチェイってのは何ですか?

都賀 彰信:
これは完全に造語です。みんなで乾杯する時の掛け声でもあるんですけど、パーティーであったり自分の生活をチェイチェイライフってやったら面白いんじゃないかって事もあり、自分の事をチェイチェイボーイと呼んでます。笑

レペゼン:
なるほど。笑
何か動画も作ってますよね?

都賀 彰信:
それもクラブで自分が、どういうクラブライフを送ってるかってのを踏まえて、笑いなんかも入れつつ動画シリーズを作ってます。笑

レペゼン:
なるほど。では、職業を教えてください。

都賀 彰信:
DJcity(ディージェイシティ)というDJがクラブで使う音楽を配信するレコードプールがありまして、そこで日本のコミニュケーションマネージャーという肩書で、色んなクラブに行って色んな人と関わる仕事をやらせてもらってます。

レペゼン:
コミニュケーションマネージャーって肩書は珍しいですよね。

都賀 彰信:
そうですね。会社で名刺作る時に、その言葉が出てきてそれにしましょうってなりました。

レペゼン:
そうなんですね。出身はどちらですか?

都賀 彰信:
出身は茨城です。

レペゼン:
なんか実家のお米の仕事とか手伝ってましたよね?

都賀 彰信:
実家が代々農家で、都賀の姓を授かって18代目なんですよ。もう400年くらい続いてますね。

レペゼン:
18代目って相当ですよね。すごい家系ですね。
今のお住まいはどこですか?

都賀 彰信:
今は東中野に住んでいます。

レペゼン:
血液型と生年月日を教えてください。

都賀 彰信:
A型で、生年月日は1984年4月21日生まれです。

レペゼン:
同い年のDJの方とかいますか?

都賀 彰信:
同い年だとDJ KEKKE、DJ KENMAKI、皿師和太鼓とか。あとはDJ RAM、DJ JUICY、DJ IKU、a-lifeでDJしてるDJ RYOHEY、ATOMのDJ HOSAKAとか結構いますね。

レペゼン:
多いですね!!

都賀 彰信:
WARP(ワープ)のRYOHEYとTOMOPIROも同い年ですね。結構同じ世代が多くて、嬉しいですね。

レペゼン:
なんか同い年って、一体感出るから、それだけたくさんいると羨ましいです!
身長と体重を教えてください。

都賀 彰信:
身長が173cmで体重が63kgです。

レペゼン:
太ったりするんですか?

都賀 彰信:
全く太りません。太る事もなければ痩せる事もなく、だいたい60~63kgを行ったり来たりですね。

レペゼン:
夜な夜な飲んでたら太りそうですけどね。

都賀 彰信:
会社の人にも30歳過ぎたら太るようになるよって、言われ続けるも全く太る事もなくここまできましたね。

レペゼン:
羨ましいですね。好きな食べ物、嫌いな食べ物を教えてください。

都賀 彰信:
好きな物はあり過ぎて困るんですけど、昔から好きな物で言えば中華や韓国料理ですね。逆に嫌いな食べ物は一切ないですね。

レペゼン:
嫌いな物がないのは良いですね。

都賀 彰信:
親の教育ですね。笑

レペゼン:
農家ですから食べ物は大事にですもんね。笑

趣味について

レペゼン:
趣味はありますか?

都賀 彰信:
家でゲームするですかね。

レペゼン:
最近はどのゲームにハマっていますか?

都賀 彰信:
FPSです。Call of Duty(コールオブデューティ)とかですね。

レペゼン:
オンラインでやるんですか?

都賀 彰信:
オンラインでやってます。あと同じ系統だとBATTLEFIELD(バトルフィールド)とかもやりますね。あとは、時々パワプロやったりとかって感じです。

レペゼン:
めちゃくちゃゲーム好きなんですね!

都賀 彰信:
そうなんですよ。それでやり過ぎて嫁に怒られてます。笑

レペゼン:
なるほど。笑
都賀さんは結婚されて犬も飼ってますよね?

都賀 彰信:
4匹飼ってます。トイ・プードル3匹にチワプー1匹です。

レペゼン:
そんなにいるんですか!!

都賀 彰信:
それも嫁の戦略だと思ってるんですよ。最初付き合ってる時に犬を飼おうってなったんですけど。

レペゼン:
戦略ですか?

都賀 彰信:
嫁的にはそろそろ将来どうするかって考えて、それをきっかけとして飼ったんじゃないかって思うんですよ。
嫁からもあんたが変わったのって犬飼ってからだよねって言われます。笑

レペゼン:
なるほど。笑
その自覚はありますか?

都賀 彰信:
ありますね。犬いるから少し早めに帰らなきゃとか、色々気にするようになりましたね。

レペゼン:
なるほど。いい傾向ですよね?

都賀 彰信:
そうですね。

レペゼン:
なるほど。つまり基本的にワンチャンに囲まれてゲームをしてるって事ですね。

都賀 彰信:
そうです。笑

都賀彰信の音楽について

レペゼン:
次は音楽について聞いていきます。最近好きな楽曲はありますか?

都賀 彰信:
難しいですね。

レペゼン:
あんまり偏りがない感じですか?

都賀 彰信:
あんまりいい言い方じゃないんですけど…
色んな音楽を聴いてる分、この曲がって言うより、色々聴くから正直流しちゃってる部分があるからあるんですよね。笑

レペゼン:
なるほど。職業病ってか、仕事柄しょうがないですよね。

都賀 彰信:
何を聴くって言うよりは、色んな人のミックスを聴いて、この曲よく入ってるなとか、DJcityのチャート見て今こういうのが来てるんだねとかはチェックしてますかね。

レペゼン:
そうなんですね。でも差別なく色んな音楽を聴いてるって事ですよね。

都賀 彰信:
そうですね。でも昔EDMが流行った時は、馬鹿みたいにEDMばっか聴いてたんですよ。元々若い時に、トランスで育ったっていうのがあって、EDMはBPMも早いし自分の中で気持ち良いってのがあったのですごい聴いてたんですよね。

レペゼン:
なるほど。

都賀 彰信:
でもその後、EDMは1周回って自分の中でもういいやってなっちゃいました。笑

レペゼン:
そうなんですね。笑
じゃあ人生で初めて音楽として認識した曲って何ですか?

都賀 彰信:
それで言うと、親が高橋真梨子とか荒井由実が好きで、車の中でカセットテープを良くかけてたのでその辺になるんですかね。

レペゼン:
カセットテープの時代ですね。

都賀 彰信:
だから初めて自分で買ったCDで言うと、モーニング娘。のモーニングコーヒーとか、安室ちゃんの1番最初の頃のとかですかね。あとは倉木麻衣とかも聴いてましたね。

レペゼン:
なるほど!平和でいい時代ですよね!では、好きなアーティストはいますか?

都賀 彰信:
これも一緒で…昔だったらスッと言えたんですけどね…
10年くらい前とかはT.I.(ティーアイ)がめっちゃカッコいいと思って、すごい聴いてたんですよね。あとは当時友達の影響でThe Game(ザ・ゲーム)とLil Wayne(リル・ウェイン)のMy Life(マイライフ)って曲もハマってすごい聴いてましたね。

レペゼン:
カッコいいですよね。

都賀 彰信:
でも最近はこれといって決めて聴いたりしてないので誰がカッコいいとかなかなか出てこないですね…あ、でもさっきの好きな曲に関しても、DJcityってヒップホップとかが強いんだけど、個人的にはハウス系を聴いちゃうんですよ。

レペゼン:
そうだったんですね!音物が好きなんですか?

都賀 彰信:
音物好きですね。分かり易く言うとガチャガチャしてないし、気持ち良くゆっくりずっと聴いていられるってのはありますね。ヒップホップが嫌いな訳もなく好きなんですけど、自分の趣味嗜好で言うとハウスの方が聴くことが多いかなって感じです。

レペゼン:
ちなみによく行くクラブはありますか?

都賀 彰信:
だいたい行くのはWARP(ワープ)とCAMELOT(キャメロット)、A-LIFE(エーライフ)。これは鉄板で回る場所ですね。

レペゼン:
結構離れてますよね?

都賀 彰信:
WARPからA-LIFEってのはたまにしかないですけど、WARPからCAMELOTはタクシーで直ぐだし、全然行きますね。

レペゼン:
さすがです。現場の大切さをわかってらっしゃると言うか、現場でDJと絡むスタンス、尊敬します。
都賀さんはDJと仲良いってイメージありますけど、それ以外でプロモーターや制作の人など裏方の人で仲良いって人いますか?

都賀 彰信:
こういう仕事してて、色んなクラブに行くと色んな繋がりも出来るし、逆に仲良くさせてもらってるって感じの人が多いので、気兼ねなく一緒に楽しめるっていうと、WARPのシン君ですね。

レペゼン:
水曜日にWARPで一緒にやってますもんね。

都賀 彰信:
それもありますし、裏方やってる中で、本当に現場でパーティーをしてるって人間だとシン君が1番近いかなっていうのは感じます。あの人は一緒に騒げる人間ですよね。

レペゼン:
都賀さん自身がは限りなく表に出て、アーティストとか色んなクラブの人と繋がって、混ぜ合わせて色んな場所、機会を作る人だからこそ、裏方の人を繋げるような立場のシンさんと合うんでしょうねー

人生グラフ①勉強漬けの生活

レペゼン:
次は人生グラフで、都賀さんご自身の人生を振り返って頂きたいと思います!

 

レペゼン:
それではお願いします。幼少期はどんな子供だったんですか?

都賀 彰信:
両親が公務員ですごい教育熱心だったので、小さい時からめちゃくちゃ勉強してたんですよ。

レペゼン:
ええ!そうなんですね!公務員ってのは職種は何だったんですか?

都賀 彰信:
市役所の職員と小学校の先生です。

レペゼン:
じゃあお堅い感じで育ったんですね。

都賀 彰信:
はい。自分が長男で、お爺ちゃんも親父も長男で、ずっと本家を継いできてるんです。お爺ちゃんは10人兄弟で、みんな弁護士や教頭先生、医者とかそんなのばっかりだったんですよ。

レペゼン:
すごい。名家ですね。

都賀 彰信:
それで親父は、俺が長男で跡継ぎだからちゃんとさせたいってのもあって、すごい勉強させたんですよ。小学生から英会話も行かされましたし、親戚が公文をやってたから問題集をもらって、小学生の頃から中学の問題をやらされてたりしましたね。

レペゼン:
ガチガチの英才教育だったんですね。

都賀 彰信:
だから小学校も中学校も成績は1番で、悪い時でも5番以内にはいた感じでした。それで高校受験で、茨城で1番頭が良いって言われてた県立の所を受けたんですけど、落ちたんですよ。

レペゼン:
え、落ちたんですか?

都賀 彰信:
本番でミスっちゃいましたね。点数的に余裕で行けるでしょって言われてたんですけど、落ちましたね。で、もうひとつ私立を受けて、そっちは受かって私立に行ったんです。そっちも進学校で、東大、慶應、早稲田とかに行くのが普通で、それ以外は落ちこぼれみたいな高校でした。

レペゼン:
すごい学校ですね。

都賀 彰信:
入学してから1年の終わりぐらいまでは、真面目に勉強してました。でも正直、中学まではちょっとやればできたので、そんなに苦労する事なくやってきた感覚だったのが、高校で自分の実力を思い知らされたんですよ。

レペゼン:
頭の良い子達が集まった高校ですもんね。

都賀 彰信:
そうなんです。で、高校生になると中学の時と比べて、付き合う人の幅が広がるじゃないですか。

レペゼン:
そうですね。

都賀 彰信:
例えば中学の同級生と遊ぶにしても、同級生が悪い人間とかが集まるような場所にも関わるようにもなるじゃないですか。その時に俺は遊びを覚えちゃって、それが楽しいってなっちゃった訳です。

レペゼン:
「勉強よりも楽しいこと、たくさんあるぞ!」って知っちゃったんですね。

人生グラフ②ワルの道へ

レペゼン:
楽しみを覚えてからはどうなったんですか?

都賀 彰信:
高校1年の終わりぐらいから、友達に誘われて日サロに通い、ギャル男になりました。

レペゼン:
ギャル男になったんですか。笑

都賀 彰信:
そこからやんちゃしてる奴らに誘われて遊んでいるうちに、悪いことをして感じるスリルが楽しくなっちゃったんですよ。

レペゼン:
なるほど。笑

都賀 彰信:
でも、親の事を完全に無下にしてる訳ではなかったので、高校はちゃんと卒業はしようとは考えてました。一応大学も行ける所がありそうだったから、行こうと思って受験して受かりました。

レペゼン:
すごい。受かっちゃうんですね!

都賀 彰信:
でも、それは一浪してたんですよ。受かったのも奇跡だと思ってるんですけど、成蹊大学に行きました。

レペゼン:
おおー!名門!

都賀 彰信:
実は18歳の時にも受かった大学があったんです。そこが親父と同じ大学の同じ学部だったんですけど、親父にもっと上の大学に行けるって言われて一浪しました。

レペゼン:
そういう事だったんですね。

都賀 彰信:
で、受かって進学したんですけど、悪い事もしてた名残りもあって、ちょくちょく地元に帰って来てたんです。それで地元の悪い奴と連んで、一緒に悪さしちゃってましたね…

レペゼン:
なるほど。笑

都賀 彰信:
悪さしてたツケが回ったのか、20歳の時に先輩に呼び出し食らって、こっぴどく怒られましたね…

レペゼン:
ついに怒られてしまったんですね…

都賀 彰信:
そうなんですよ。先輩の所に行って正座をさせられ…

レペゼン:
すごい話ですね。それが20歳の時ですね。

都賀 彰信:
20歳なりたての時です。そこからはしばらく反省して、働かなきゃと思って、仕事を探してました。

レペゼン:
なるほど…

人生グラフ③やさぐれ時代からクラブ業界へ

都賀 彰信:
それで25歳ぐらいの時にチョージ君(DJcity Japanの代表)に出会ってるんです。

レペゼン:
そうだったんですね。

都賀 彰信:
その時もチョージ君はクラブ業界の仕事をしていたので、クラブに誘ってくれて一緒に遊びに行ってました。それで、仕事を探しているって言う話をしたら、次が決まってないなら一緒に仕事しようよって誘って、今の会社に入りました。

レペゼン:
なるほど!チョージさんと出会った時点で、既にDJcity Japanはあったんですか?

都賀 彰信:
まだなかったです。当時はSupa Good DJs(スーパーグッドディージェイズ)っていう、今のレコードプールと似たような事をしていて、その時に入らせてもらったんです。

レペゼン:
DJcity Japanの前身の会社で一緒に働き始めたんですね。面白いですね。

都賀 彰信:
それから1年しないぐらいで、2009年の10月ぐらいにDJcity Japanが出来たって流れですね。

レペゼン:
やさぐれていた時代から、一気にいい方向に舞い戻りましたね!!もしあの時先輩に焼き入れられてなかったら、今頃はどうしていたと思います?

都賀 彰信:
人間としてクズになってると思います。いまだに、地元で悪さをしてくすぶっていたかも知れないですね…

レペゼン:
悪さはしていたけど、しっかり反省したから、東京で色んな繋がりが出来て、チョージ君とも出会って今があるんですもんね。

都賀 彰信:
そうですね。チョージ君には本当に感謝してます。

レペゼン:
何が人生の転機になるかわからないですね。

都賀 彰信:
やんちゃすると、感覚がわからなくなって、歯止めが聞かなくなるんで…ああやって焼き入れられて本当によかったです。そこからは、本当に人の事を考えるようになったし、出会いのありがたみも考えるようになりましたね。

レペゼン:
なるほど。その後は今に至るまでずっと上り調子ですね。

都賀 彰信:
そうですね。自由にやらせてもらってる分、大変な事もありますが、音楽もクラブ好きだし好きな場所にいながら、給料もらって仕事ができてるのですごく嬉しいです。

レペゼン:
間違いないですね。

都賀 彰信:
最初入った時は人の繋がりも全くなかったけど、今は色んな人と繋がって仲良い人もできて、みんなに良くしてもってますね。それに会社ありきですが、パーティーもやらせてもらえるようになったし、そう言った意味では今の会社で順調に歩ませてもらってると思います。

レペゼン:
なんか、仕事の話している時の都賀さんの言葉に力強さがあって、充実加減が伝わってきます!

生まれ育った環境から、20歳の頃に経験したことから、現在の犬に囲まれた生活まで、都賀は全てを受け入れポジティブに話した。
そして周りへの感謝。これも彼の眼差しから強く感じるものの一つ。

「ポジティブであること」「感謝すること」当たり前のようだが、どんな状況からもチャンスをつかむには欠かせない要素なのではないだろうか。

後編は気になるDJcityの仕事や音楽シーンについて聞いた。後編もお楽しみに。

都賀彰信 Instagram:tsuga_cheycheyboy

Interview by : bullmatic

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