TKda黒ぶち × WINGZERO 【前編】|Cross Street

ヒップホップの最前線で戦ってきたラッパーとブレイクダンサーが語る「バトル論」とは?

ライター:TARO

ストリートカルチャーの異なるジャンルのプレーヤー2人がカルチャーのディープな部分について対談する「クロス・ストリート」。

第2回目に登場するのはラッパーのTKda黒ぶちさんとブレイクダンサーのWINGZEROさん。

今回2人には「ラップバトルとダンスバトル」と「ヒップホップと大衆化」の2つのテーマで話をしてもらいました。

ラップとブレイクダンス、それぞれのシーンでバトラーとして結果を残し続けてきた2人の「バトル観」、そして「ヒップホップの大衆化」とは?どこよりもリアルなトークの始まりです。

【TKda黒ぶち(ティーケー・ダ・くろぶち)】

春日部のダテじゃないメガネの異名を持つRapper、Timeless Edition Rec.代表。好きな食べ物は炭水化物全般。初めて買ったCDはMr.Childrenの「Tomorrow never knows」。オススメの飯屋は春日部のダイニング・バー、COPA。

テレビ朝日系ラップ番組『フリースタイルダンジョン』の3代目モンスターであり、日本のフリースタイルラップバトルシーンの最重要人物の一人。2015年末には1stアルバム「LIFE IS ONE TIME,TODAY IS A GOOD DAY.」、2018年に2ndアルバム「Live in a dream!!」、2019年にはキャリア初のEP「Good Morning EP」をリリースし、2020年5月には日本のHIPHOPシーンを代表するプロデューサー陣を招き3rdアルバム”Don’t Let the Dream Die”をリリースするなど楽曲制作も精力的に行なっている。

また、日本初のHIPHOP専門ラジオ局”WREP”にて毎週月曜20時から放送されている”Timelessチャンネル”のパーソナリティーを務めるなど、アーティスト以外の部分でも活動の幅を広げている。

【WINGZERO(ウイングゼロ)】

日本が世界に誇るトップ・B-Boy。ブレイクダンスチームFOUND NATION(ファウンド・ネーション) のコアメンバー。好きな動物はポメラニアン。初めて買ったCDは松本梨香「めざせポケモンマスター」。オススメの飯屋は池袋のハンバーガー屋、No.18。

基礎力の高いフットワークに加え、コミカルかつスタイリッシュなダンススタイルは、ジャンルを超え多方面のダンサーに支持されており、ブレイクダンスの世界大会・IBEのフットワーク部門で2012年・2013年と二年連続で優勝。2016年にはFREESTYLESESSION WORLD FINALの3vs3部門にチームメイトのRYO-FLOW,ISSEIと出場し、日本人CREW初優勝を成し遂げた。

現在はブレイクダンスの新しい可能性を創る「株式会社FNMD」の代表として、ダンサーのマネジメントやキャスティングを行う他、YouTubeチャンネル「FLAVAJAPAN – ブレイクダンス TV -」のプロデュースを行なっている。

自己紹介

WINGZERO:
WINGZERO(ウイングゼロ)という名前で2002年ぐらいからブレイクダンスをやっています。
誕生日は1986年の10月で35歳。今年36歳ですね。出身は山梨県です。
FOUND NATION CREW(ファウンド・ネーション・クルー)というチームを2002年からずっとやってて、ちょうど今年で20周年っていう感じですね。

チームで活動しながらアパレルをやったり、ダンススタジオやYOUTUBEをやったりとかもしてて。2年前ぐらいにそれらをまとめて会社化しました。今はその代表をしてます。

TKda黒ぶち:
TKda黒ぶちと申します。出身は、埼玉県の春日部市という所で、年齢は34歳ですね。
基本ソロでラップ活動をしてます。最近は作詞の仕事もしてます。
基本は「曲を作る、それをリリースする。そしてそれをライブする。」という基礎活動をしております。

「ネタを崩せるのが一番のフリースタイル」

TKda黒ぶち:
ブレイクダンスのバトルって、大体ラップバトルと同じようなやり方なのかなって思ってたんですけど、具体的にどんな形式があるんですか?

WINGZERO:
ブレイクダンスバトルのフォーマットは色々あります。例えばラップバトルみたいに1対1の対決もあるし、2対2だったり、3対3だったり、チーム対チームだったりというのもあります。
基本的にはDJがその場で音楽を流すんですけど、何がかかるかわからない状態で踊りますね。
分数、ムーヴ数、ターン数が決まっていて、3人とか割り切れない数のジャッジが入って勝敗を決めると。民主制ですね。

TKda黒ぶち:
やっぱラップバトルと近いですね。
バトル挑む時ってやる技とか決めてるんですか?セットというか。

WINGZERO:
全く決まっていないといったら、うそになりますね。ただ全部を決めた通りできることはまずないっていう感じです。

TKda黒ぶち:
前にWINGさんのバトルを見た時にすごいトリッキーな足技をやってた印象があるんですけど、ああいうのは元々このバトルではこれをやろうって決めてるんですか?

WINGZERO:
一応ネタ的なものはあります。あとはそのバトルの音と流れのフローによりますね。
今このネタを使ったら、いい感じにハマりそうとか。どんな音が流れても、これとこれぐらいはちょっとやりたいなとか。頭の中である程度考えた上で、音によってそれをガシガシ崩していくっていう感じっす。

TKda黒ぶち:
なるほど。
型があって、そこからちょっと崩して遊ぶと。

WINGZERO:
はい。踊っていて、「あっ違うな」って思った瞬間に動きを変えたりはしてます。「やろうと思ってたのと違うのが出てきちゃった」で良いと思ってるので。逆にそれがもう、1個のフリースタイルなのかなと思ってます。ネタを崩せるのが一番のフリースタイルなのかなと。
実際フリースタイル過ぎると、自分の体のクセが出ちゃうから結局同じ動きの連続になっちゃうんですよ。それって本当にフリースタイルなのかな?みたいな。

TKda黒ぶち:
何かジャズのフリー演奏みたいで面白いですね。
型や曲が決まってて、その間のフリー・セッションの時に奇跡のムーブが出てくるみたいな。

プロフィール

  • TKda黒ぶち

    TKda黒ぶち

    春日部のダテじゃないメガネの異名を持つRapper、Timeless Edition Rec.代表。 フリースタイルダンジョン3代目モンスター。2005年からマイクを握り今日現在に至る。 2015年末に1stアルバム「LIFE IS ONE TIME,TODAY IS A GOOD DAY.」、2018年に2ndアルバム「Live in a dream!!」、2019年にはキャリア初のEP「Good Morning EP」をリリース、2020年5月には日本のHIPHOPシーンを代表するプロデューサー陣を招き3rdアルバム”Don’t Let the Dream Die”をリリース。 また、日本初のHIPHOP専門ラジオ局”WREP”にて毎週月曜20時から放送されている”Timelessチャンネル”のパーソナリティーを務める。

  • WINGZERO

    WINGZERO

    日本が世界に誇るトップ・B-Boy。ブレイクダンスチームFOUND NATION(ファウンド・ネーション) のコアメンバー。基礎力の高いフットワークに加え、コミカルかつスタイリッシュなダンススタイルはジャンルを超え多方面のダンサーに支持されている。 オランダで毎年行われているブレイクダンスの世界大会・IBEのフットワーク部門で2012年・2013年と二年連続で優勝。2016年にはFREESTYLESESSION WORLD FINALの3vs3部門にメンバーのRYO-FLOW,ISSEIと出場し、日本人CREW初優勝を成し遂げた。現在は株式会社FNMDの代表として、ダンサーのマネジメントやキャスティングを行う他、YouTubeチャンネル「FLAVAJAPAN - ブレイクダンス TV -」のプロデュースを行なっている。