レペゼン:
今後日本のヒップホップシーンに望むことはありますか?
Y‘s:
ちゃんと中身が評価対象になって、音源で評価されるようになってほしいです。そうじゃないと、「クオリティコントロール」ができないから。
クソダサいものも、クソハードなものも、ヒップホップという同じジャンルとして扱われるのは仕方ないんですけど。
レペゼン:
「クオリティコントロール」というのは・・・?
Y‘s:
ちゃんとした人たちが音楽シーンにいないと、クオリティがしょぼくならない?
アメリカってクオリティコントロールができていて、売れるものってちゃんとかっこよくて、しっかりしてるじゃん。日本はそれがされてないから、クオリティが担保されてなくても売れちゃってる。
どこのレーベルだとか、バックに大きな事務所があるから評価されるんじゃなくて、ちゃんとかっこいい人たちが評価されて欲しいなって思います。
レペゼン:
アメリカみたいになるといいですね。
Y‘s:
それが正解だと思うよ。「日本には日本のヒップホップがある」っていう人がいるけど、正直、俺よくわかんない。
リスナーが「日本のヒップホップが好き」って言うのはいいけど、プレイヤーが「日本は日本の」っていい出したら、可能性をすごく狭めてることになると思います。
レペゼン:
確かにそうですね。
Y‘s:
サッカー好きだったら、ヨーロッパのサッカー観るじゃん。野球好きだったら、メジャーリーグ観るっしょ?バスケ本気でやるならNBA行きたいっす、っていうのが普通でしょ?
海外の人が「これが俺らの演歌」って言ってたら、日本人からすると意味がわかんないでしょ?それと一緒。
レペゼン:
その例え、すごい納得できます!!
Y‘s:
だからこそ、世界で何が起きてるかはチェックした方がいいし、そういう音楽シーンになって欲しい。
レペゼン:
いいところは盗めばいいんすよね。
Y‘s:
アメリカ人が日本に来た時、「日本すげーな、かっこいいな。かかってる曲もイケてるな」ってなって欲しいです。それが、俺の子供の頃からの夢。
「あいつらアメリカかぶれ」って言われてきたけど、それが好きだからしょうがない。
さんピン(さんピンCAMP)みてUS聴くようになって、Biggie(ビギー)だの2pac(ツーパック)だの全部聞いて、そういうの引っくるめて全部好きで始めてるわけだから、「日本が日本の」っていうのは嫌だ。そう言うんだから、アジアで日本がしょぼくなっちゃうんだよ。
レペゼン:
そんなイケてるシーンになるように、我々も頑張んないといけないですね。
Y‘s:
だから、ちゃんとした人がクオリティコントロールしてほしいよね。
レペゼン:
本当にその通りです。
では最後に、人生における座右の銘を教えてください。
Y‘s:
「七転び八起き」かな。
レペゼン:
今のお話聞いてるとすごくしっくりきます。
Y‘s:
嫌なことはみんな平等にあるから。それでも諦めないでやり続けたらいいんじゃない?そしたらいいことあるかもね?っていう感覚ですね。
レペゼン:
読者のみなさんに、告知はありますか?
Y‘s:
1月24日に、釣りのトピックスのミニアルバム「ツリジャンキーEP」がリリースされます。ジャケットデザインも、ワームを入れてるパッケージっぽくして。釣り屋にもおいてもらう予定。
(「ツリジャンキーEP」の購入はこちらから)
レペゼン:
おおお!釣具屋さんに、Y‘sさんのCDが並ぶわけですね!超上がります!!
Y‘s:
夢だったからね。これでひとつ夢が叶いました。ラップしてきてよかったっす。
レペゼン:
今日はありがとうございました。アツい話が聞けました。
Y‘s:
うん。最後は深かったけど、大体は時計パクった話とか使ってもらえばいいから。文字に起こせる?笑
レペゼン:
あとはチャリンコの話ですね。笑
ギリギリまで文字起こしします笑
Y‘s:
ありがとうございました!
レペゼン:
こちらこそありがとうございました!
「昭和の残党」。自らの世代をそう例えるY’s。
確かに時代とともにストリートは変わっていくかもしれないが、そんなY’sたちが作り上げてきたものがあるからこそ、今のストリートがあることを忘れてはいけない。
そして何よりも、「”クオリティ”に妥協は許されない」ことは時代が変わっても変わりようのない事実だ。時代と共に変わるものと変わらないもの。
そこに気づいてストレートに行動すること、我々にはもっとやれるべきことがあるかもしれない。
▼Y’s
Instagram:ys_yellowman1983
ツリジャンキーEP:https://linkco.re/YVQUdMAS
YSM Online Shop:http://www.ysm23.com
Interview:ABE HONOKA
Writer:中崎史菜
日本のストリートをレペゼンしよう。