Young Freez:
27歳くらいでやっとファースト出すんですよ。実は、これ出してラップをやめようと思ってました。
レペゼン:
え!そうだったんですか!知りませんでした。
Young Freez:
ここまで続けちゃったから、一枚は作品出さないとと思って。アルバム出したあと、29歳の時にBCDがガチ揉めするんですよ。
レペゼン:
なんで揉めたんですか?
Young Freez:
もともと先輩もいたんですけど、先輩抜いてタメだけでやろうっていうことになって。そしたら、ずっと喋れなかった奴らがここぞとばかりに意見し始めちゃって収集つかなくなって。笑
知識もないのに笑
レペゼン:
仲間割れみたいになっちゃったんですね。
Young Freez:
それでBCDが解散して、俺はフィリピンに留学に行くんすよ。そのタイミングでアルバム作り出しました。
レペゼン:
やめようと思ってたけど、やめなかった理由ってなんですか?
Young Freez:
ラップは3年くらいやってなかったんです。でもELIONE(イーライワン)に「ちゃんとアルバム作んないとダメだよ」って言われて。
それまではラップを適当にやって、ジープ買って遊ぼうかなくらいの気持ちだったんですけど。「そんなん買うんだったら、アルバム作りなよ」って言われました。
レペゼン:
その一言で思いとどまれたんですか?
Young Freez:
ONEと初対面だった時に死んだCASPERのことを話に出してくるんですよ。CASPERのこと知ってたらしくて。
死んでからもう10年経ってるんすよ? それに加えて、俺のニューヨークの知り合いの一人とONEが一緒に働いてたらしいんすよ。
レペゼン:
すごい繋がったんですね!
Young Freez:
それで気を許しちゃって。笑
レペゼン:
だから、言葉をしっかり受け止められたんですね。
Young Freez:
ONEはその頃サードアルバム作ってて。「この歳でこんなに真面目にやってるやついるんだな。じゃあ俺もやってみよう」って思って、このアルバム作ったんすよ。
レペゼン:
それで我々は今でもFreezさんの曲が聴けてるってことですよね。ELIONEさん、ありがとうございます。笑
お仕事はラップとは別にされてるんですか?
Young Freez:
仕事はファーストアルバム出す前、24歳くらいからずっと同じ仕事してて。でも辞めました。
レペゼン:
ラップ一本にする決意をしたわけですね。その頃からグラフが上がって、今が最高潮になってますね。
Young Freez:
なんやかんや今年くらいからは調子いいですね。テンションとしては当時6人でラップ始めた頃くらいまで戻ってるかな。
少年院入ってたやつは海外行っちゃってるから、日本にいるのはKNELLと俺しかやってないっすけど。
レペゼン:
2人だけになっちゃったんですねー。ここまで人生について聞いてきましたけど、“壮絶”の一言ですね。
Young Freez:
壮絶でしょ?これをちゃんと物語にしたいんですけど、曲に収めきれなくて。今話したのも、ほんの一部だし。
レペゼン:
確かに・・・。一曲にはなかなか収まりきらなそう。ラップ、辞めなくてよかったと思ってますか?
Young Freez:
そうですね。今楽しめてるし。仕事も辞めれたし。
レペゼン:
仕事を辞めるのって勇気いるじゃないですか。辞めるきっかけはなんだったんですか?
Young Freez:
結構勇気いりましたね。笑
毎年、CASPERの誕生日はCASPERのお母さんと食事をしてるんですよ。10人くらい仲間が集まるんですけど、そこでニューヨークから帰ってきたやつに「仕事やめちまえ」って言われて。
来年1月までやろうと思ってたんですけど、辞めたっすね。
レペゼン:
仕事しなくてもやっていける自信があったからですか?
Young Freez:
それもあるけど、ここでやめないとズルズル会社員やっちゃうな、と。来年入ったら、有給1ヶ月分もらえるから…とか思ってたんですけど、思い切って退職届だして。
レペゼン:
なるほど。仲間の一言に背中を押されて決断できたってことですね。その勇気、かっこいいです。
最近、iTunesとかSpotifyで楽曲取り上げられてますよね。かなり知名度上がったんじゃないですか?
Young Freez:
iTunesで「今週のニューアーティスト」っていうのに取り上げてもらって。かなりハードル高いらしいんですけど。
レペゼン:
そうなんですね!すごい!
Young Freez:
それ以降注目してもらってますね。それからSpotifyにも取り上げてもらって。よくしてもらってますね。
レペゼン:
この間、USの楽曲も日本の楽曲も配信してるSpotifyの「HIP HOP最前線」っていうまとめ聴いてたら、そこにFreezさんの楽曲入ってましたよ。
Young Freez:
あ、マジっすか?嬉しいですね。
レペゼン:
これからも注目していきます!
壮絶な彼のこれまでの人生の話を聞いた後に、改めてアルバム「YOU.」を聞いてみた。一つひとつのリリックに込められた思いに引き込まれるとともに、その表現を選んだ彼の繊細な技をかみしめることができた。
そして何よりも、これだけの人生を送ってきても、ポジティブに楽曲制作という形でアウトプットを行い、前に進み続ける彼の姿には、ヘッズとして応援したくなる気持ちがさらに湧く。
次回以降はそんな人生を過ごしてきた彼が感じているストリートや、自身の楽曲制作の秘訣に迫る。乞うご期待。
▼Young Freez
Instagram:freez_tokyo
▼「YOU.」Spotify
https://open.spotify.com/album/1VUa8DiDWUG9CqLMn1puYO?si=B6Zt9oM9S9W8kA8KPTPE5A
▼「YOU.」Apple Music
https://itunes.apple.com/jp/album/you/1437357015
Interview:ABE HONOKA
Writer:中崎史菜
日本のストリートをレペゼンしよう。