レペゼン:
それでは順を追ってお願いします。
DEE:
まず25歳で何か楽しい事ないかなっと思って東京に来て、クラブのバーテンとかやりながら楽しい事を模索してました。
レペゼン:
バーテンをやられてたんですね。この時はまだタトゥーを始めようとは考えてなかったんですか?
DEE:
元々タトゥーは好きだったんですけど、きっかけは26、27歳の時に、初めてアメリカに二週間くらい一人旅に行ったんですよ。その時に日本では見られない本場のタトゥーカルチャーを、目の当たりにしてやられちゃったんですよね。本物のタトゥーに出会ったんです。
レペゼン:
アメリカで出会ったんですね!そのカルチャーってのはどんなんだったんですか?
DEE:
例えば街中に美容室みたいな感じで、お洒落でクールなタトゥーショップが普通にあるんですよね。それで店の外にベンチがあって、タトゥーまみれのめちゃくちゃ怖い奴らがたまってるんですよ。
レペゼン:
どんな感じの人達なんですか?
DEE:
カリフォルニアだったんですけど、ジェントルマンカットで、首に薔薇やロープのタトゥーとかが入ってたりする、白人の超かっこいいモデルみたいな人達ですね。その人らがレイバンかけて腕まくりして、タバコ吸ってるその風景にやられちゃって…
レペゼン:
すごいイメージ出来ました!!
DEE:
そこから少しして、先輩とまた一週間くらいアメリカに行く機会があったんですよ。その旅の終わりに車を運転してたら、「タトゥーサプライ」ってマシンとかが売ってるお店があって、なんか寄りたいって言うか「寄らなきゃダメだよ」ってなっちゃったんですよ。
レペゼン:
そのお店に吸い込まれて行っちゃった訳ですね。
DEE:
別に買うつもりもなかったんですけど、残りの手持ち100ドルで中国製の安いマシンを二台買っちゃったんですよ。それがきっかけで始めた感じですね。
レペゼン:
きっかけはタトゥーアーティストの誰かと出会ってとかじゃないんですね!!
DEE:
そうですね。誰かに出会ったとか、弟子入りしたとかじゃなくて、何かに引き寄せられた感じ。本当そこのお店に寄らないと、俺ダメな気がするって気持ちになったんですよね。
レペゼン:
なんか運命的なものがビビッと来たんですね。
DEE:
最後に残りの100ドルで、お土産でも買って帰ろうって思ってたのが結局マシンを買って、それで日本に持ち帰って、どうせ買ったんだからやってみようみたいな。そのマシンで初めて彫ったのが今からだいたい3年前ですね。
レペゼン:
一番最初に彫った人の事は覚えていますか?
DEE:
もちろん覚えてますよ。元カノです。笑
レペゼン:
一番最初が元カノなんですね!笑
元々絵を描くことは好きだったんですか?
DEE:
いや、絵は全然描いてなかったです。
レペゼン:
じゃあタトゥーを始めてから独学で全部身につけたんですね。
DEE:
そうですね。ただ、元々先輩がタトゥーショップをやっていて、分からない時に教えてもらう先生的な人はいました。けど誰かに付きっきりで、その人から学ぶみたいな事はないです。
レペゼン:
すごいですね!本当に独学で!!ちなみに東京に出てくる前は何をやられていたんですか?
DEE:
地元のキャバクラのボーイだったり、ホルモン焼き屋で働いていたり、普通の若者って感じでしたね。
レペゼン:
自分にタトゥーを初めて入れたのはいつぐらいだったんですか?
DEE:
初めは22歳ですかね。地元の彫り師を紹介してもらって。
レペゼン:
でもそこから急にアメリカでビビッと来て、目醒めてここまで来たんですよね?
DEE:
本当にいきなりな感じですね。なんならタトゥー始めてみたのも楽しそうだなっと思ったからだし、別に始めた時から、これを仕事としてやっていくなんて1ミリも思ってなかったっす。
レペゼン:
そこから、ここまでに!!やっぱり彫り師が天職だったんでしょうね!!
人生は何があるかわからない。一つの旅が、ある人との出会いが、眠っていたあなたの才能を突然開花させる。その場所がストリートであるケースは偶然にも多い。
そこに引き寄せられて、「ここだ」と悟り、人生をかける。その瞬間をDEEは逃さなかった。
人生をかけて勝負すると、チャンスは突然やってくる。今や日本語ラップ界のあの人や、あの人や、あの人もDEEにタトゥーを任せる。この後はDEEにも自信を与えた「デカいチャンス」の話や、彫り師としての仕事の流儀を聞いた。
▼DEE
Instagram:dee_tattooer
Interview:ABE HONOKA
日本のストリートをレペゼンしよう。