ストリートの定義・夢/BMXライダー勅使川原大地インタビュー⑥

若宮大通のパークとジャンプ台付きトラック

ライター:レペゼン君

レペゼン:
BMXに関わらず、周りを見ると音楽、ファッションと様々なストリートがありますが、勅使川原さんにとってストリートとはなんですか?

勅使川原:
BMXで言うストリートは、スケートパークに行ってる人しか分からない情報やそこで出会った仲間、その仲間たちから聞く情報なんかがストリートなのかなって思います。特に若宮のスケートパークはストリートだなーと思います!

photo by hikarufunyu

レペゼン:
若宮がそうなんですね!

勅使川原:
日本であそこまでストリートなスケートパークはないなって思います!日本人だけじゃなくブラジル人や色んな人がいるので、それぞれのファッションや情報を持ってますしね!

レペゼン:
なるほど!色んな情報があつまるんですね!

勅使川原:
あと持ってくるカメラなんかもみんな違ったりして!Googleで検索しても出てこないような細かい情報を会話して得られるのがストリートだと思います。

レペゼン:
そこに行かないと得られない情報や物って事ですよね。

勅使川原:
改めて思うのが、ストリートってマニアックな情報がマジで多いですね。

レペゼン:
最近仕入れたマニアックな情報はなにかありますか?

勅使川原:
ストリートな事か分からないですけど、「バーベキューには何々が調合された塩が合う」とか「どこどこの肉はこう味付けすると美味しい」とかですかね。笑

レペゼン:
なるほど。笑
それもストリートならではですよね!

勅使川原:
あと大阪来てストリートだなって思ったのが、コロナになる前だったんですけど、バーに飲みに行ったら地元のおっちゃんが量が多くて安くて美味しいホルモン屋を教えてくれたんですよ。こういうのもマニアックだしストリートだなって思いましたね。

レペゼン:
そういうのって調べても分からない、地元の人たちの持ってる情報ですもんね。

勅使川原:
Googleで調べても出てこない情報っていっぱいあると思うし、そういうのってその場所に行って直接話さないと出てこないですよね。

レペゼン:
勅使川原さんが思う「ストリートの定義」を教えて下さい。

勅使川原:
一つの場所に居座らずに、色んな地域をまわって色んな人とコミニュケーション取るのはストリートだと思います。ローカルに居座るよりも、真のストリートはどこに行っても現地の人と仲良くしたり情報を得られる人だと思います。

レペゼン:
なるほど。

勅使川原:
日本でそれが出来てる人は海外なんかでもグローバルに活動出来る人って印象です。ストリートで得た情報で違うスポットに行って、またそこでしか得られない情報をゲットしてって、どんどん動いていくイメージですね。

レペゼン:
一方で、言い方悪いですけど、ずっと地元にいて偉そうにしてる人とかもいますもんね。

勅使川原:
こういう時期だからなかなか難しいですけど、ローカルにずっといるよりは色んなとこをまわって、そこでバイブスを得て自分の糧に繋げて行く事がストリートとしての動き方なのかなと思います。

レペゼン:
最後に夢や野望を教えてください。

勅使川原:
BMXの楽しみをもっと教えていきたいです。競技に勝つって事だけじゃない、ライフスタイルの面で楽しみ方が色々あるよ!って。あとはショーやパフォーマンスでもっと稼げるようにしていきたいですね。

レペゼン:
なるほど。

勅使川原:
そうすることで子供たちの目標になったり、職業として選んでいけるように繋げていきたいですね。

レペゼン:
自分たちもBMXでご飯が食べられるって思わせられるような存在、夢を与えられる存在ですね。では大会へのモチベーションはどうですか?

勅使川原:
「大会で勝とう!」ってのは今はあんまり思ってないですけど、出られる限りは出て、僕の好きな技は絶対に出そうってのはあります。

レペゼン:
勝つと言うより、大会を楽しむ感じですね。

勅使川原:
誰もやってない跳び方をやろうとか、トランスファーって跳び移る事なんですけど、ここから誰も跳んでないとこに跳んでやろうみたいなのは考えてます。こういうところもフリースタイルで好きな一面なので、大事にしながらやっていきたいですね。

レペゼン:
今やられているスクールやユニバーサルスタジオのショー以外で、こういう新しい事に挑戦したいみたいな事はありますか?

勅使川原:
誰もやってなくて今一番やりたい事は、車を前後にぶった切って荷台部分にジャンプ台をくっつけて即席でショーが出来る、そんな車を作って日本一周したいですね。

レペゼン:
おー!荷台とかが変形してジャンプ台に変わるみたいな感じですよね?

勅使川原:
そんな感じです。本当にトランスフォーマーみたいなイメージで、ジャンプ台を運ぶのではなくジャンプ台に乗って移動する感じです。

レペゼン:
面白いですね。

勅使川原:
それで日本一周しながらショーをやって、映像も撮りたいですね。

レペゼン:
それって実際にそういう車を作ってる人はまだいないんですよね?

勅使川原:
一応調べたらイギリスで特注で作ってる人はいるんですけど、日本でやるには車検があるのでハードルがかなり高そうですね…
でも可能性はかなりあると思うのでやりたいですね!

レペゼン:
それもBMXをもっと知ってもらうためですね。

勅使川原:
そうですね。

レペゼン:
座右の銘はありますか?

勅使川原:
「切り開け」です。

レペゼン:
強い言葉ですね。それはBMXをやっている時もずっと胸にある言葉なんですか?

勅使川原:
何か思い悩んだり、壁にぶち当たったりしても切り開けってワードを自分でいつも持ってるって感じですね。

レペゼン:
なるほど。

勅使川原:
結局、切り開けるか切り開けないかは自分次第だと思うんですよ。見たい世界があるなら自分で切り開いて見るって単純な考えです。

レペゼン:
力強いメッセージですね。

レペゼン:
最後に何か告知はありますか?

勅使川原:
僕自身は特に大きいイベントはないんですけど、地元の仲間が名古屋のオアシス21で『クロスカルチャー』ってイベントをやっていて開催するんですよ。それにBMXのショーとかもあって、入場料無料でイベントをやろうってクラウドファンディングで頑張っているので、遊びに来れる方は遊びに来て頂いて、応援していただける方はクラウドファンディングで応援して頂けると嬉しいです!

レペゼン:
なるほど!

勅使川原:
あとは僕のスクールにも来て欲しいですし、BMXに興味がある方は名古屋のHi-5で無料BMX体験を月に一度行っているのでそちらにも是非来てください。

レペゼン:
それは何も持っていかなくても出来るんですか?

勅使川原:
BMXもヘルメットも貸し出しをしますので、持って来て頂くのはバイブスだけです!

レペゼン:
良いですね!本日はお時間を頂いてありがとうございました!

勅使川原:
こちらこそありがとうございました!

 

オリンピック競技としても採用が決定し、これまで以上に注目が高まっているBMX。シーンが盛り上がるという背景に、彼のような楽しむことを前提とするストリートのライダーがいることを忘れてはならない。「競技」「技術」「選手」「スポーツ」という味方はもちろん正しい。しかし、文化としてBMXがこの国に根付くには、それらとは違う角度で”切り開く”勇気が必要なのだろう。今後も勅使川原大地の活躍から目が話せない。

 

勅使川原大地 Instagram:_tessy_d.co
SAMURIDE公式サイト:https://www.matsuicyclenagoya.com/samuride
SAMURIDE BMX CLUB Instgram : samuridebmx

 

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