今観るべきカンフー映画3選|ストリートヘッズのバイブル Vol.172

ウータン・クランやミーゴスも!?ラッパーたちが憧れたカンフーの世界とは?

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回は「今観るべきカンフー映画3選」!5月24日に来日するヒップホップ史上最強のラップクルー、ウータン・クランにも影響を与えた名作カンフー映画たちを紹介していくよ!

全てはここから。ブルース・リー主演
『燃えよドラゴン (1973)』

言わずと知れた伝説的アクションスター、ブルース・リーの代表作であり、世界中にカンフーブームを巻き起こしたクラシック・ムービー。この映画以前は世界的にはあまり認知度が高くなかった中国武術を映画に取り入れ、エンターテイメントとして昇華、世界的に認知させたカンフー映画の草分け的作品だ。この映画のヒットのおかげで、その後多くのカンフー映画が制作、アメリカでも放送され、1970〜80年代にはキッズたちの間で爆発的なブームに。そんなカンフーの影響を受けて育ったのが今回来日するウータン・クランのメンバーたちなんだ。

彼らのデビュー作『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』は、タイトルからも明らかな通り『燃えよドラゴン』の原題『Enter the Dragon』のサンプリング。

カンフー映画から学んだ東洋の世界観とストリートのバイブスを融合させたウータンの『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』は当時の音楽シーンに衝撃を与え、今でもヒップホップ史上に残るクラシックとして多くのヘッズたちから愛されているんだ。

②ウータンに影響を与えた伝説のカンフー映画
『少林寺三十六房  (1978)

映画の舞台は明が滅び清の圧政が広がっていた時代の中国。反政府活動に参加したために家族や友人を殺された劉裕徳(リュー・ユーダ / サンダ)が強くなるために少林寺に入門、35の“房” で厳しい修行を行い、肉体的、精神的に成長していく物語だ。

実はウータン・クランとは切っても切り離せないのが、この『少林寺三十六房』。彼らの1st アルバム『Enter The Wu-Tang (36 Chambers)』はブルース・リー主演の『燃えよドラゴン(Enter The Dragon)(1973)』と、この『少林寺三十六房(The 36th Chamber of Shaolin)(1978)』からインスパイアされ、タイトルをつけたものなんだ。

ウータンのメンバーたちを熱狂させた映画とだけあって、作品内のアクションシーンでの俳優たちの動きのキレや型の美しさはまさに圧巻。主演を務めたゴードン・ラウをはじめ、出演者の多くが実際に武術経験者であり、武術の達人同士ならではの圧倒的完成度のカンフーアクションは必見だね。

③磨く空手のスキルとヒップホップマインド
『ベスト・キッド (1984) 』

1984年に公開された『ベスト・キッド(The Karate Kid)』はアメリカン青春ドラマとアジアンカルチャーの融合という斬新な設定が話題を呼び、世界的なヒットを記録した映画。引っ越し先でのいじめに悩む少年ダニエルと空手の師匠ミヤギの人間としての師弟としての交流、そしてそこにある文化の違いを超えた”リスペクト”。ストーリーとしては思春期の少年の成長を描いたシンプルなスポ根ものなのだが、その中に挑戦精神と異文化への敬意が詰まっている作品だ。

『ベスト・キッド』で圧倒的な存在感を放つのが、主人公ダニエルの空手の師匠であるミスター・ミヤギ(演:ノリユキ・パット・モリタ)。温和な表情や語り口はもちろんだが、特に彼のセリフは映画ファンの中でも愛されており、弟子のダニエルに車のワックスがけを指示する時の「Wax on, Wax off(ワックスをかける、ワックスを取る)」や、ダニエルが落ち込んだ時に伝えた“Balance good, Karate good. Everything good. Balance bad, better pack up, go home(バランスが良ければ、カラテも良くなる。全部良くなる。バランスが悪ければ、荷物をまとめて家に帰りな)”などはまさに映画史に残るパンチラインだ。

そんなパンチラインの宝庫、ミスター・ミヤギはUSのヒップホップアーティストの中でも大人気。Migos の Quavoは楽曲「Open It Up」の中で“Mr. Miyagi, tats on my body (ミスター・ミヤギ、タトゥー入ってるオレのボディ)とラップしているし、Chris Brown は「Look at Me Now」で“She wax it all off, Mr. Miyagi(彼女は全部ワックスを取る、ミスター・ミヤギ)”と歌っているなど、多くのアーティストが楽曲の中ででミスター・ミヤギについて言及しているよ。

今年来日するウータン・クランをはじめ、USの多くのラッパーたちが魅了された1970〜1980年代のカンフー映画。これらの映画を観れば、よりUSラップを楽しむことができるかもね。

『燃えよドラゴン』

画像出展元 : Orange Sky Golden Harvest
配信先:Amazon Prime

『少林寺三十六房  (1978)』

出展元:ショウ・ブラザーズ

配信先:Netflix

 

『ベスト・キッド』

画像出典元:Amazon Prime