ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは福岡県朝倉市の食堂、「金屋食堂」の店主にして、ヒップホップ愛する生粋のヘッズ、矢野恭平(やの・きょうへい)さん。Vol.1は約70年続く老舗食堂「金屋食堂」についてお話し頂きました。
前回の記事はこちら→ ヒップホップ文化をこよなく愛するフォトグラファー、小田駿一
ヒップホップ愛あふれる食堂店主が守る、
朝倉の老舗・金屋食堂
レペゼン:
自己紹介をお願いします。
矢野恭平:
福岡県朝倉市で「金屋食堂(かねやしょくどう)」という小さな田舎の食堂をやっています。矢野恭平(やの・きょうへい)と申します。よろしくお願いします。ヒップホップも大好きで、ラップは小学生ぐらいの頃からずっと聴いてますね。
レペゼン:
ありがとうございます。「金屋食堂」は福岡県外からも多くの方が訪れる大人気店、そして店主の矢野さんは大のヒップホップ好きということで、インタビューさせて頂くのを楽しみにしておりました。まずは金屋食堂さんの由緒、成り立ちについて教えて頂けますでしょうか?
矢野恭平:
金屋食堂は元々祖父母がやっていたお店で、その後母が継いで、僕で三代目になりますね。
約70年ほど続いている食堂です。
レペゼン:
70年!すばらしいです。
お店のこだわりやおすすめのメニューについても教えてください。
矢野恭平:
こだわりは…これといってないです笑
とりあえず「美味しいもんを出そう」っていうのが一番ですね。ただオススメは「だし巻き卵」ですね。どのお客さんも絶対に頼む一品です。
レペゼン:
だしまきめっちゃ食べたいです…!
矢野恭平:
あとはお刺身とか一品料理の煮付けなんかも人気ですね。また「今月のおすすめ」という形でその時期の旬の素材を取り入れた料理を出しています。例えば今の季節だったら、タケノコですね。
レペゼン:
お腹空いてきました…。
矢野さんは三代目ということですが、祖父母様がこのお店を始められたきっかけは何だったんでしょうか?
矢野恭平:
はっきりとは分からないんです。もう70年くらい前になるので。ただ祖父は元々料理人ではなく、満州で機関車に乗っていた人なんですよ。それで戦後に福岡に来て、祖母と一緒に町の食堂として始めたみたいです。
レペゼン:
歴史を感じますね。
老舗食堂からニート東京へ――
YouTubeが繋いだ縁
レペゼン:
矢野さんは今はYouTubeチャンネル「金屋食堂 ちゃんねる」もやってらっしゃいますよね。動画もかなり注目されているようで。
【金屋食堂 ちゃんねる】
矢野恭平:
ありがたいのですが、実はうちのチャンネル自体はまだそんなに跳ねてないです笑
むしろ、他のYouTubeチャンネルさんが取り上げてくれた動画の方が伸びてますね。ぶっちゃけ、最初はもっと簡単に伸びると思ってたんですよ。すぐ100万回とか行くかなって思ったら意外と伸びなくて笑
レペゼン:
そうなんですか? でもお正月の動画も20万回再生を超えてますし、すごいです。
矢野恭平:
ありがとうございます。
レペゼン:
YouTubeを始めようと思ったきっかけは?
矢野恭平:
最初は他のチャンネルさんに動画を取り上げられて、それで「やってみたら?」とよく言われてて。ただ最初は自分がチャンネルを持つことに抵抗がありました。料理人だしYouTuberじゃないし…と。でも料理人でYouTubeをちゃんとやってる人って意外といなかったので、それならチャレンジしてみようかなと。
レペゼン:
良いですね。お店のPRにも繋がりそうですし。
矢野恭平:
ただ僕としてはPRっていうか、 YouTubeで世間に「こういう料理人もいるんだよ」って提示してる感じなんですね。料理の世界ってちょっと堅いイメージがあるじゃないですか。それだと若い子が入りにくいと思って。僕のYouTubeで、料理人の世界をもっとカジュアルに、身近に感じてもらえたらいいなと思ってます。
レペゼン:
確かにこのYouTubeがきっかけでもっと料理に興味を持つ若い子も増えそうですよね。実際反響はどうですか?
矢野恭平:
若い子から年配の方まで見てくれてて、共感してくれる人も結構いますね。ありがたいです。
レペゼン:
「ニート東京」にもご出演されたのもこのYouTubeがきっかけだとか?
矢野恭平:
そうなんです。元々SEEDAさんがうちのYouTubeを見てくれてたみたいで、そこから色々と繋がって出演させて頂くことになりました。本当にありがたいです。
夢は “金屋食堂 feat. AK-69 & SEEDA” ?
レペゼン:
金屋食堂に合うヒップホップソングを1曲を選ぶとしたら何かありますか?
矢野恭平:
この取材のお話しを頂いてから探してみたのですが、なかなか見つからなくて…笑
なのでいつか誰かに作ってもらいたいなと。
うちのテーマソング的な曲をラッパーさんに作ってもらえたら嬉しいですね。
レペゼン:
誰に作ってもらいたいとかあります?
矢野恭平:
一人には選べないですね笑
それこそSEEDAさんもそうですし、最近会わせて頂いたRed Eyeさんとか。
昔から好きなラッパーさんでいうと、漢さん、D.Oさん、Zeebraさん、AK-69さんとか。
好きなラッパーさんがいすぎて、選べないです笑
レペゼン:
ですよね笑
ちなみに今言って頂いた方々の中で、最近のお気に入りの曲ってありますか?
矢野恭平:
最近だと、 AK-69「My G’s feat. SEEDA」がすごくかっこいいなと。
矢野恭平:
リリックもそうですが、縁とか人との繋がりを感じられて、料理ともリンクするなって思いました。トラックも含めて全部がかっこいいです。
レペゼン:
間違いないですね。
てことはやっぱり将来的には「金屋食堂 feat. AK-69&SEEDA」ですかね?
矢野恭平:
そんなことができたら大変です。
その際は、僕もラップします笑
端っこで歌わせてもらいます笑
レペゼン:
笑
楽しみにしております!
ヒップホップと料理への愛が溢れる矢野さん。次回は学生時代の話から、料理人としての駆け出しのエピソードについて聞いていくよ!お楽しみに!