ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストはヒップホップ文化をこよなく愛するフォトグラファー、小田駿一(おだ・しゅんいち)さん。ヒップホップにフォーカスしたマルチモーダルなプロジェクト「BLUEPRINT™」のファウンダーとしての顔も持つ小田さんのキャリアについて伺いました。Vol.1の今回は小田さんの仕事へのこだわり、そして「BLUEPRINT™」について。
前回の記事はこちら→ 宮城県名取市のジャズ喫茶「PABLO」二代目マスター、村上辰大 a.k.a. DJ辰とは?
ヒップホップ文化を愛するフォトグラファー・小田駿一
レペゼン:
自己紹介をお願いします。
小田駿一:
フォトグラファーの小田駿一(おだ・しゅんいち)です。1990年生まれ、現在34歳。福岡生まれ、東京狛江市育ちです。フォトグラファーとしては主に人物写真を撮影しています。あとはライフワークの一つとして「BLUEPRINT™」というヒップホップにフォーカスしたプロジェクトを仲間と立ち上げ、楽しく運営しています。
【 BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.0 COVER 】
レペゼン:
ありがとうございます!フォトグラファーとして数多くの著名人の方のお写真を撮影されていると同時に、「BLUEPRINT™」のファウンダーとしての顔もお持ちということで、インタビューさせて頂くのを楽しみにしておりました。まずフォトグラファーとしての活動について教えてください。人物写真とおっしゃいましたが、具体的にどのような人物写真を撮ることが多いのでしょうか?
小田駿一:
人を撮るというジャンルは大きく分けるとファッション写真と、ポートレート写真に分かれます。僕はポートレート写真をメインに撮影しています。ミュージシャン、俳優、ビジネスマン、政治家、文化人、芸人など本当に幅広く撮っていますね。基本的には “人間を撮る” ということを仕事にしています。
レペゼン:
著名な方々を撮影されてますが、どのようなきっかけでお仕事に至るのでしょうか?
小田さんのポートフォリオサイトはこちら
小田駿一:
最初のきっかけは大体、雑誌や広告の仕事ですね。そこでアーティストさんやマネージャーさんと知り合い、その後、直接依頼を受けることもあります。
レペゼン:
なるほど。小田さんの写真へのこだわり、撮影スタイルの特徴はありますか?
小田駿一:
商業写真では被写体、クライアントの意図を汲み取って、デザイン的にしっかりチューニングすることを意識しています。商業写真としてクオリティの高いものを撮るということですね。ただ、個人的なプロジェクトでは、できるだけシンプルに、その人の魅力がストレートに伝わる写真を撮りたいと思っています。あまり装飾しすぎず、ミニマルに、ストレートに、「この人、かっこいいな」と直感的に伝わるような写真が好きですね。
レペゼン:
やはり仕事と個人のアートワークではしっかり意識を分けていると。
小田駿一:
そうですね。もちろん商業写真でも自分の味はありますが、やっぱりクライアントさんの思惑をしっかり形にしてみんなを喜ばせるっていうことを意識していますね。
マルチモーダル・ヒップホップ・プロジェクト「BLUEPRINT™」
【BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.1 / COVER】
レペゼン:
運営されている「BLUEPRINT™」とはどんなプロジェクトなのでしょうか?
小田駿一:
「BLUEPRINT™」はヒップホップにフォーカスしたマルチモーダルなプロジェクトです。多角的にヒップホップの魅力を伝えていくプロジェクトですね。マガジン、ライブ、グッズの3つの柱を中心に発信しています。
まずマガジンに関しては「アーカイブ・メディア」という立ち位置です。ニュースやリリース情報など時事的なコンテンツではなく、アーティストのロングインタビューを中心に構成し、10年後、20年後に古本屋で誰かが見つけて読みたくなる、「アーカイブ=歴史の記録」となるようなモノづくりを意識しています。
レペゼン:
私も雑誌世代の人間なので、やはりその文字媒体、フィジカル媒体における「アーカイブ」という視点には強く惹かれます。また「BLUEPRINT THE MAGAZINE」内で掲載されている写真はまさに小田さんがおっしゃっていたミニマルでストレート、その方のカッコ良さがダイレクトで伝わってくる写真だと感じます。
小田駿一:
ありがとうございます。自分も「BLUEPRINT THE MAGAZINE」での写真はかなり自分の理想に近いものが撮れているかなと思っています。
レペゼン:
ライブはどのようなイメージで開催されているのですか?
小田駿一:
「BLUEPRINT™ THE LIVE」は、アーティストの生のパフォーマンスを体感してもらうことを目的に開催しています。マガジンはマガジンで大事なんですが、やっぱりアーティストの生のパフォーマンスが一番強いじゃないですか?正直、マガジンでそのアーティストの情報を読むよりも、パフォーマンス一発でファンになっちゃうこともある。
レペゼン:
確かに。
小田駿一:
マガジンで、彼らの生き様を伝えることは、生き様をリリックにするヒップホップだからこそ大切だなと思っているのですが、同時に、僕達が本当に尊敬しているアーティストの方のライブを開催して、彼らをより見てもらう機会を作ることも大事だなということで、ライブを主催してます。
レペゼン:
素晴らしいです。
小田駿一:
あとグッズは、まぁ、好きだからやってます笑
一緒にやってるメンバーもグッズ好きが多いんで。MEDICOM TOYが好きな人だったり、ステッカーが好きだったり、ヒップホップ系のTシャツが好きだったり。なのでせっかくメディアをやるんだったら、無理しない範囲で楽しくグッズも作っていこうよっていうので、グッズもやってます。
*2月3日より、江別 蔦屋書店(北海道)で「BLUEPRINT™」POP-UP 開催!!
最近ハマっている一曲は「OZROSAURUS / 2years」
レペゼン:
フォトグラファー、そしてプロジェクト運営と大変お忙しい日々だと思いますが、そんな小田さんが最近ハマってるラップソングを教えてください。
小田駿一:
OZROSAURUSさんの「2years」です。OZROSAURUSさんは「AREA AREA」も良いし、ライブも素晴らしいですが、特に最近はこの「2years」という曲が食らいました。MACCHOさんのラップがとにかくカッコいいなと。
【 OZROSAURUS / 2years 】
レペゼン:
娘さんに向けた一曲ですよね。
小田駿一:
そうなんです。僕自身も娘がいるので、すごく胸に刺さりました。
リリックはめちゃくちゃ優しいのに、ラップのスタイルは一切崩さず、すごくヒップホップ的な表現になっているんです。ラップスタイルはMACCHOさんだけど、優しいお父さんの言葉っていう。こんなにヒップホップなラブソングは他にないです。
同じ娘を持つ親として感動する歌でもあり、本当にMACCHOさんってとにかくカッコ良い男だなと心から感じた一曲ですね。