WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.1Vol.192の今回は2000年代名盤特集。取り上げるのは、Slum Village(スラム・ヴィレッジ)の「Fantastic Vol.2」。
ミシガン州デトロイトで高校の同級生だったT3、Baatin(バーティン)、そしてJ Dilla(J・ディラ)が結成したスラム・ヴィレッジは1996年から1997年にかけて収録した音源「Fan-Tas-Tic Vol. 1」でデトロイトのアンダーグラウンド・シーンで絶大な支持を獲得、その後オフィシャルのファースト・アルバムとしてリリースした「Fantastic Vol.2」では、 などの有名アーティストが多数参加し、大ヒットを記録。ヒップホップのクラシックとして今でも多くのはヘッズ達に愛されているんだ。
そんな「Fantastic Vol.2」からまず紹介するの「Climax」のJ・ディラのヴァース。
「Climax」
But I ain’t never fucked with a ménage à trois It’s three like the stripes on the a-di-das Getting live like we at the mardi gras We getting live like we at the mardi gras Three is the magic number ask my part-i-ner
オレはメナージャ・トワでファックしたことはないぜ まるで、a-di-dasの3本ラインみたいだよな まるでマルディグラにいるみたいに騒ぐぜ オレたちははまるでマルディグラにいるみたいに騒ぐんだ 3はマジック・ナンバーだろ、オレのパー・ティ・ナーに聞いてみな
“ménage à trois(メナージャ・トワ)”とは3人でのセックスのこと。3人でのセックスとアディダスの3本ラインをかけてるてわけだね。 “the mardi gras(マルディグラ)とは、フランス語で「肥沃な火曜日」を意味するキリスト教の祝祭日のこと。マルディグラの日には、人々はカラフルな衣装に身を包み、カーニバルに繰り出すんだ。スラム・ヴィレッジの3人はまるでマルディグラのカーニバルの中にいるみたいに、はしゃいでいるてことだね。そしてこのヴァースのテーマとなっている数字、3は実は神秘の数字と言われおり、宇宙の全ての真理は3という数字に集約できるとされているもの。3に秘められた真理をマスターした者は宇宙を支配する知識と力を得ることができるとまで言われているんだ。つまりスラム・ヴィレッジの3人が創り出す音楽はヒップホップ・シーンを支配するような間違いない音楽だぜって歌っているわけだね。
続いては、D’Angelo’(ディアンジェロ)がフィーチャリングで参加した「Tell Me 」からT3のリリックをチェキ。
「Tell Me」
See you sexy girl and also quite confident You could sell goods and probably market it Yo, what’s up with seven digits can I pocket it? I want to get with your prerogative
またね、可愛い子ちゃん。自信をがあるのさ。 君はグッズを売ったり、市場に売り込むこともできるかもな 例の7桁はどうしたんだ?オレのポケットに入れてもいいかい? オレは君の特権を手に入れたいのさ
T3のロマンチックなリリック。可愛い女の子と出会ったT3は彼女の“seven digits(7桁)”をゲットしたいよう。“seven digitss(7桁)”とはアメリカの携帯電話の番号の桁数。つまりT3は意中の子の電話番号をゲットしようとナンパしてるて感じだね。
2000年代名盤特集、Slum Village「Fantastic Vol.2」のラストを飾るのは、Common(コモン)が参加した「Thelonius」。
「Thelonius」
It’s like a verse you could never read out of a book Dropping the line in your mind like a fish hook Word is birth, yo I do it till the break of day Pay attention to your art, never go astray Word is bond
これは君が決して本から読むことができない詩のようなもの 釣り針のように君の心にラインを落とす 言葉が生まれる、オレは一日の終わりまでをやってる 君のアートを気にしてる、だから決して迷うなよ オレの言葉は本物だぜ
まさにラップというアートを表したバーティンの一節。本では読むことはできないけど、まるで釣り針のように心に刺さる詩のようなもの。それがラップなんだね。