3店舗目のオープンと念願の…/デザイナー:金子淳二郎インタビュー③

次々に店を展開していくその戦略とは

ライター:レペゼン君

レペゼン:
横浜オープンの4年後に「PRIVILEGE東京」がオープンしたんですけど、ここまでの4年で、次は東京だ!って決まっていたんですか?

金子淳二郎:
当時は海外からDJやアーティスト呼んでイベントやったりイケイケで、怖いもの知らずだったんですよ。笑 

神奈川ではある程度知名度も出てきてたから、次行くなら東京だなって。でも東京って競合が多いし、だから名前を「PRIVILEGE(プリビレッジ)」に変えたってのもあるんだよね。

レペゼン:
戦略的に名前を変えたんですね。

金子淳二郎:
「Lafayette」って神奈川で結構有名になってきたなって思うんだけど、「Lafayette東京」を出してすぐにダメになっちゃったらイメージ悪くなるしね。

レペゼン:
それはあるかもしれないですもんね。

金子淳二郎:
それにインポート屋って東京には沢山あったし、もっと自社ブランドも打ち出して行こうかなって思ってたので。

レペゼン:
なるほど。

金子淳二郎:
実は「Lafayette横浜」は当時、神奈川初の”「Supreme」の正規取り扱い店”だったんですよ。でもその後「Supreme」の方針で急に取り扱いが出来なくなっちゃうんですけど。

レペゼン:
なるほど。

金子淳二郎:
そういうのを見ていて方向転換をして自社ブランドを強めて、「Lafayette」ブランドをもっと世に出そうってなったんです。

レペゼン:
そこからオリジナルのラインが増えていく訳ですね。

金子淳二郎:
そうなると神奈川じゃなくて東京にオリジナルをメインに置くお店を作りたいなと思って。

レペゼン:
それが「PRIVILEGE原宿」だったんですね。なるほどー!!

金子淳二郎:
もともと横浜とか藤沢ではセレクトも古着もやったりとかガチャガチャだったのを、原宿ではもっとオリジナルにフォーカスしてやり始めました。

それがその後で新潟や仙台、名古屋に出来たりしてフランチャイズで広がっていった感じですね。

レペゼン:
「Lafayette」の藤沢店、横浜店それから「PRIVILEGE東京」だけでも、それぞれカラーが違うと思うんですけど、それは土地柄とか意識していたんですか?

金子淳二郎:
各お店でちょっとずつコンセプトを変えていってます。藤沢は昔からルーズに着るスタイルが多いし、また横浜は東京じゃない!っていう横浜愛が強い子達が多いし、原宿は最先端だしってので変えてました。

レペゼン:
30歳で原宿店をオープンさせてから5年後に結婚という事ですが、プライベートでも色々変化があったんですか?

金子淳二郎:
24~30歳ぐらいまで遊びまくっていたと思います。笑

レペゼン:
かっこいいですね。笑

金子淳二郎:
奥さんは20歳ぐらいから知ってる仲なんだけど、俺はずっと「チャラい」って言われてて。笑

でもそんなフラフラしてる感じも全部知ってくれるから結婚したってのもあります。笑

レペゼン:
なるほど。笑

それで結婚されてから3年後に念願のニューヨークでオープンですけど、その時の気持ちはどうでしたか?

金子淳二郎:
めちゃエキサイティングでしたね。もう、興奮しました。「やっとできる!!」っていう感じで。

ニューヨークに出店するためにあっちに会社を作ってからその時すでに3~4年経ってたんですよ。

レペゼン:
ニューヨークで会社を立ててから3~4年って事ですか?

金子淳二郎:
そうですね。もう向こうに事務所を構えてから3、4年経ってたし、なかなか厳しい状況が続いていたから、だから決して余裕があってオープンさせた訳じゃないんですよね。

お金も借りたし。オープンした達成感というより、「こっからだ!!」って感じでしたね。

レペゼン:
もう1回スタートだなみたいな感じですね。

金子淳二郎:
やっとスタート地点に立てたって感じです。

レペゼン:
じゃあ2年前にようやくスタート地点に立てて、現在もまだフレッシュな気持ちでやってるってかんじですか?

金子淳二郎:
まぁ日本でお店出すのとはちょっと訳が違うなって。ここ1、2年くらいは大変な想いもしながら頑張ってます。

レペゼン:
やっぱり日本とは訳が違うんですねー!

いやー、ここまでリアルで面白い話が続いていますが、続きは後半にかけて聞いていきます!!

終始穏やかに、にこやかにインタビューに答えてくれた、金子淳二郎。その包容力たるや、我々取材陣もこの人のもとで働きたい、そんな思いさえ抱かせるものがあった。

初店舗となる藤沢も想いの強かったニューヨークも淡々と語った彼ではあったが、きっとその裏には幾多の苦労そしてその数だけのブレイクスルーがあったのだろう。

それを超えてきて、この包容力。Lafayetteの強さはここにあると確信した。

次回以降は今や世界を股に活動する彼、金子淳二郎の視点から見た、カルチャーの違いや”何かを生み出すためのマインド”について聞いた。

「Lafayette」ファンだけでなく、世の中の経営者、今、何かを企んでるあなたは必見。

…続く。

金子淳二郎 Instagram:jun_lafayette

Interview by DJ K.DA.Bdjkdab

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