音楽の先のカルチャーを伝えることもDJの仕事/DJ K.DA.B⑤

思い出の音楽&今のワークライフ

ライター:レペゼン君

レペゼン:
次は音楽について話を聞いていきたいんですけど、ズバリ、DJ K.DA.Bさんの好きなアーティストは?

DJ K.DA.B:
一番はBiggie(ビギー、The Notorious B.I.G)かなあ。

レペゼン:
やっぱりいいですよねー!
最近お気に入りの曲ってありますか。

DJ K.DA.B:
最近はなんだろう……。チャートにある曲も好きだし、SNSで偶然見つけた無名アーティストの曲も好きだから、わりと何でも聴きますよ。家にいる時や移動中は、クラブではかけないような音楽を聴いてることが多いですね。

レペゼン:
ちなみに今日は何を聴いていましたか?

DJ K.DA.B:
今日は、Jim Jones(ジム・ジョーンズ)の「El Capo(エルカポ)」を聴いてました。2000年代初期に流行った人たちがブームが落ち着いた頃に出す、あぁいうヒップホップが好きで。チャートにはランクインしないけど渋いなあって。たまたま今日はそんな気分でしたね。

レペゼン:
DJを始めた10代、ニューヨークで過ごした20代、日本で活動する30代、それぞれ思い出の曲ってありますか?

DJ K.DA.B:
めちゃくちゃいっぱいありますよ!!10代はLost Boyz(ロスト・ボーイズ)の「Ghetto Jiggy」ですかね。あれは初めて聴いた時に衝撃を受けました。

レペゼン:
懐かしい!渋いですねー!!

DJ K.DA.B:
20代は、当時ニューヨークでよくかかってたJamie Foxx(ジェイミー・フォックス)の「Blame It」。男目線でクラブの楽しみ方を歌っている曲なんですけど、今でもたまにDJで使ったりします。

レペゼン:
いいですねー!!MVもすごく印象に残っています!!

DJ K.DA.B:
30代は……悩ましいなあ。リリースから今までずっと好きなのはDrake(ドレイク)の「Nice For What」ですね。去年の曲なんですけど、サンプリング元のLauryn Hill(ローリン・ヒル)がもともと大好きで。それで一気に心を掴まれてしまいました。曲の展開も良いからDJとしては使いやすいんです。

レペゼン:
難しい質問でしたよね…でも、各年代の思い出の曲、K.DA.Bさんの人生グラフと照らし合わせるとすごくイメージが湧いてきます!!
プライベートで仲の良いアーティストは誰かいらっしゃいますか?

DJ K.DA.B:
アメリカにも仲良い人いっぱいいるんですけど、日本に何度か呼んでいるDJ First Choice(ファースト・チョイス)とか。年齢や感性も近いし、音楽の話をするのが好きな奴なんで、会うたびに発見があるんですよね。いつもアイデアをもらえます。

レペゼン:
高め合える友達は最高ですよね!地元の人たちとも交流はありますか?

DJ K.DA.B:
藤沢のみんなは近くにいるから普通に街中でよく会いますね。湘南はレゲエ文化も根強いし、音楽関係の人たちはみんな仲良いですよ。

レペゼン:
確かに藤沢ってみなさん絆が深そうなイメージです!!音楽関係に限らず、尊敬する人を教えてください。

DJ K.DA.B:
Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)とBeyonce(ビヨンセ)、French Montana(フレンチ・モンタナ)このあたりですかねー。彼らは慈善事業に力を入れているんです。

レペゼン:
そうなんですか!!

DJ K.DA.B:
Beyonceはユニセフと組んでアフリカの水源問題に関わっていて、Chance The Rapperは地元シカゴの学校を支援していたり。そういう、成功したからこそコミュニティへの還元をしているアーティストに憧れます。売れた後にちゃんと還元しないと、ストリートでやってきたことが結局ゼロになっちゃうと思うので。

レペゼン:
ストリートへの還元…そういうことですね!!では、今注目しているアーティストは誰ですか? 

DJ K.DA.B:
大坂なおみ選手のおかげで日本でも認知されてきていますけど、YBN Cordae(ワイビーエヌ・コーデー)ですね。インタビューとか見てても、受け答えがしっかりしているんです。

レペゼン:
何かと話題ですよね!

DJ K.DA.B:
今の若い世代って2000年代や2010年代の音楽で育ってるから、1990年代の2PacやBiggieを知らない人も多いんですよ。でも、YBN Cordaeはちゃんと1990年代のカルチャーを知ってるから心強いなあって。すでに注目されていますが、今後もっと人気になったらいいなと思います。

レペゼン:
K.DA.BさんはクラブDJやラジオDJ、ライターなど様々な場で活動をされていますが、切り替えって難しくないですか?

DJ K.DA.B:
日本ってDJ=クラブっていうイメージが強いんですけど、俺は音楽の先のカルチャーを伝えることもDJの仕事だと思うんです。そういう意味では、記事を書いたりラジオ番組をしたりするのもDJの延長線にあると考えています。

レペゼン:
なるほど!!広い意味で「DJ」をしているってことなんですね。

DJ K.DA.B:
そういった感覚です。これからの時代は、そういう人がもっと増えてほしいなとも思うし。酒が飲めないとかなんとなくあの雰囲気が苦手だとか、音楽やDJが好きなのにクラブに向いてない人っているじゃないですか。だったらスポーツ系のDJやエンタメ系のDJがいてもいいと思うんです。

レペゼン:
確かに、その通りかもしれないです!!

DJ K.DA.B:
DJのフィールドは決してクラブだけじゃないから。ライターやラジオをやりたいなら、今の時代は東京に限らず地方でもできちゃうと思うし。

レペゼン:
そうですよね!!K.DA.Bさんのようなお手本があると、これからの若い世代もいろんなジャンルにチャレンジしやすくなると思います!!
仕事をしていて楽しいなって思うのはどんな時ですか?

DJ K.DA.B:
ラジオだと、リスナーさんとコミュニケーションを取れる時。クラブでDJしてる時もお客さんの反応を見られるのが一番嬉しいですね。ライターとしては、Google検索で自分の記事がトップに出るとやっぱりテンション上がりますね。笑

レペゼン:
仕事をする上で、自分の武器って何だと思いますか?

DJ K.DA.B:
やっぱりニューヨークでの経験ですかね。しかも大不況を経験したからこそ、DJとしても人間としても強くなったと思います。ライターやラジオDJとしては英語を話せるのも強みかなと。海外のニュースもスピーディーに理解しやすいので。

…続く。

DJ K.DA.B Instagram:djkdab

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