Interview

2019.1.10 Thu

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レペゼンインタビュー:Young Freez ラップとヒップホップの違い

リアルヒップホップの魂と、冷静にシーンを見る眼差し

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前編で語られた、Young Freezの壮絶な人生の物語。修羅場の数々を超えてきたにも関わらず、飄々としている彼の振る舞いは、真の男の強さとはこういうことか、と思い知らされる。そして楽曲制作というアウトプットで我々はそのストーリーを聞くことができる。ヒップホップとは本当に素晴らしい。後編は、そのアウトプットとしてのヒップホップについて聞いた。コラボしてやばかったやつは?今のストリートシーンをどう思う?ストリートで稼ぐには?リアルなストリートを歩くYoung Freezの言葉に耳ヲ貸スベキ。

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楽曲制作について

レペゼン:
Young Freezさん自身、何からインスピレーション受けて曲作りしてるんですか?

Young Freez:
インスピレーションかー。
曲は時代にあったものを消化して歌うんすけど、内容は濃い目なんですよ。自分の人生で考えたこと・ライフストーリーを落とし込みながら、今のサウンドに乗せるっていうのが基本スタイルです。

レペゼン:
ディープな思いを、受け取ってもらいやすい曲に乗せてるってことですね。どんな曲作りをしてるんですか?

Young Freez:
パソコンでプリプロ(プリプロダクション)を撮りながらフローを決めて、そこにその時思ったこととか、人生のこととかのワードをはめていく感じです。

レペゼン:
レコーディングの場で考えていく感じですか?

Young Freez:
街中で思いついちゃったら、他のことしてても、絶対メモります。いいリリック思い浮かんでも、一瞬で頭から消えちゃう可能性が高いから。

レペゼン:
普段ずーっと考えてるってことですか?

Young Freez:
ずっとは考えてないですね。曲作ろう!やろう!と思ったときに考えることが多いかな。そういうタイミングにリリックが出てくることが多いですね。

レペゼン:
作ってきた楽曲に込められた想いやライフストーリーって具体的にどんなことなんですか?

Young Freez:
例えば、「PICK YOU UP」って曲は、メンバーがバラバラになった時に、それでも俺をフォローしてくれたやつはみんな連れて行くよっていう曲。
BE ALRIGHT」は少年院に行った親友に向けて、海外でも、どこにいても俺の曲聴けるでしょ?っていう曲なんです。

レペゼン:
ほんとだー!Freezさんの人生に沿ってますね。最近Freezさんがラップしてて気になる、いけてるな、っていうラッパーいますか?

Young Freez:
Awichさんとかですかね。

レペゼン:
間違いない!笑

Young Freez:
何らかの形で機会があったら一緒に曲やりたいとか思いますね。あと唾奇(つばき)さんとかもカッコいいと思います。みんなと同じだろうけど。笑

レペゼン:
沖縄勢つよいですねー。Awichさんのアルバムの中で、何が好きですか?

Young Freez:
紙飛行機ですかね。元々あの元ネタが超好きだったんですよ。

レペゼン:
元ネタ!

Young Freez:
あれ、EGO-WRAPPIN(エゴラッピン)の「色彩のブルース」って曲のサンプリングなんすよ。

レペゼン:
原曲もかっこいいですね!

Young Freez:
しかも、色彩のブルースもサンプリングなんですよね!。中森明菜が歌ってるのが本当の元ネタだと思います。

レペゼン:
そうなんですか!また、良いとこから取ってくるっすね。

Young Freez:
それをサンプリングしたのが色彩のブルースで、さらにサンプリングしたのが紙飛行機。中森明菜、めちゃくちゃ渋いですよ。

レペゼン:
渋いー!でもそれを、今風にアレンジしちゃうのかっこいいすね!

Young Freez:
今Awich聞いてる子たち、EGO-WRAPPINも中森明菜も多分わかんない人が多いいかもしれないですね。笑

レペゼン:
確かに。その可能性ありますね。笑
人生で一番最初聞いたヒップホップ覚えてますか?

Young Freez:
日本ではZEEBRAさんですね。「PLAYER’S DELIGHT(プレイヤーズディライト)」です。

レペゼン:
やっぱり覚えるんですね!!仲良いラッパーは誰ですか?

Young Freez:
基本普段ラッパーと遊んだり動いたりってないんですけど。昔からの仲でいうとJAZEE MINOR(ジャジー・マイナー)とかT2K(ティーツーケー)、ZEUS(ゼウス)とか?あとはELIONE(イーライワン)とか、WAVY(JP THE WAVY、ジェイピー・ザ・ウェイビー)RYKEY(リッキー)とかもたまに会いますね。

レペゼン:
皆さん、かっこいいラッパーばかりですね!今までやばかったコラボありますか?

Young Freez:
みんな喰らったんすけど、今回のアルバムでいうとSALU(サル)君とCHICO(CHICO CARLITO、チコ・カリーと)かな。リリックよろしくって曲渡してから、返ってくるのがまじ早かったっすね。
CHICOにビート送ったんすよ。送った後に俺、ジム行って。それで戻ってきたら、もうレコーディングしたのが返信されてきてたんですよ!

レペゼン:
えー!それはすごいスピード!!

Young Freez:
こんなスピードでリリックあるもの作れるんだ!ってマジでビビりました。ほんと1時間くらいの出来事だったから。それが今回でいう「BE MYSELF & ME BE」って曲です。才能すごいっすよね。

レペゼン:
確かに。それでいて、内容もバッチリですもんね…。カッコ良すぎる!

今のヒップホップシーンについて

レペゼン:
今のヒップホップシーンをどう思いますか?

Young Freez:
昔より“やりやすくなった”かな。
俺がハタチくらいの時って、先輩への挨拶の仕方一つ間違ったら渋谷にいれない時代もありましたしね。最近は先輩も優しくなってて。こないだクラブの店員に、「良いですね、最近の若い子は。血みどろが無くて。笑」って笑われました。笑

レペゼン:
なるほど。

Young Freez:
ヒップホップとラップって別じゃないですか。ラップやってるけど、ヒップホップじゃないというか。

レペゼン:
そうかもしれないですね。

Young Freez:
世代的には“ラップミュージック“をやってる子たち”が増えたのかな、って感じはありますよね。

レペゼン:
この世界に入る壁は低くなった感じですかね。

Young Freez:
俺がハタチの時ってすげーハードル高くて、一歩一歩の積み重ねだったのが、今じゃ一歩でバズれるところもいいと思いますしね。

レペゼン:
確かに、名前が売れるまでのスピード感がありますね。

Young Freez:
でも、それがあるべき姿なのかもしれないと思います。その人たちは音楽やりたいだけだから。俺はもともとトラップはしたかったわけじゃなかったけど、時代が時代だったからやるのがシーンではスマートで。
ただそういうプロセスは、絶対必要とは言えないと思うんですよ。その過程の中で失われてきた才能が沢山あると思います。

レペゼン:
そういう見方もできますね。

Young Freez:
まあ、いい変化なのかもしれないですね。例えば時代の変化で言えばSpotifyは聴く側は定額だけど、アーティストにはお金が入るじゃないですか。それは音楽としては、理想的な形だと思います。

レペゼン:
確かに。ラップで食える人が増えるってことですもんね。
そんな風に変わってきたシーンですけど、その中で「ストリート」の定義とか「こいつストリートだな」ってFreezさんが思う点ってどういうところですか?

Young Freez:
んー。「トラブルとかもこなせてる人」かな。
音楽やってたら色々あると思うし、俺らはそう言うの結構前提だった気がする…だからヒップホップだけやってたいけど、地元の10個上のレジェンドの不良の飲み会とかちゃんと顔だしたり、そういう付き合いも大事にしてました。

レペゼン:
Freezさん自身も、そういう世界通って来てるんですよね。先輩に揉まれて、育ってく、みたいな。

Young Freez:
俺もそういうところ通ってきてるってか、当たり前っていうか。

レペゼン:
「ストリートの定義」って何だと思いますか?

Young Freez:
なんだろうな・・・ストリートの定義・・・。一言だと難しいけど。

レペゼン:
体育会系ってことですかね。年長者に対する尊敬とか。

Young Freez:
まあ、わかりやすくいうと、体育会系ってことになるのかな。笑

レペゼン:
このストリートの世界で稼いでいくにはどうしたらいいと思いますか?

Young Freez:
俺、まだ全然稼げてないですけどね。

レペゼン:
でも、配信もしてるし、ライブもたくさんこなしてるじゃないですか!

Young Freez:
うーん。そうだな。「多動力」でホリエモンが言ってるように、いろんなことをやるってことかな。

レペゼン:
なるほど。Freezさんは例えばどんな“いろんなこと”をされてるんですか?

Young Freez:
例えば、こないだ出したPVの1本は、半分くらい撮影も編集も自分らでやってます。できなくてもいろんなことやってみるのが、チャンスを作ってくコツなのかな、って思います。DJ、音楽、筋トレ、他にもいろいろやってたり。自分が興味あることを仕事にしちゃうっていうか。そういうのが良いなーって。

レペゼン:
まずは興味あることをやってみる、っていう姿勢ですね。

Young Freez:
今やってる筋トレは、ちゃんとやっていけばトレーナーになれるし。音楽はトップラインっていう最初のメロディラインを作る仕事もやりたいし。

レペゼン:
現状のできるできないの枠にはまらず、いろんなことをされてるんですね!

Young Freez:
趣味をとことん生かすって感じですかね。

座右の銘

レペゼン:
座右の銘はなんですか?

Young Freez:
「能ある鷹はつめを隠す」ですね。特に最近、意識してますね。波立てないように、ひけらかさないように。そんなのを大切にしたくて。人に何を言われても黙ってる。言い返そうと思ったら言い返せるけど、聴くに徹するというか。

レペゼン:
自慢話をするよりも、人の話に耳を傾けるってことですか?

Young Freez:
そう。いろいろ思うところがあっても、飲み込むところは飲み込んで。相手の意見も大事に聞きたいっすね。

レペゼン:
特に最近、というのは?

Young Freez:
ここ半年くらい、この言葉を意識してますね。自分の中では色々考えてるけど、言わない、みたいな。言いたいことは楽曲に昇華できたらそれもまたいいかなって。

レペゼン:
なるほど!
曲を聴いて、勝手に「キラキラしてる方」かと思ってました。でも、かなりドープでした。正直、こういう人生を送ってこられたとは曲から想像できませんでした。

Young Freez:
キラキラしてないですよ。笑
曲がそうだから、そう思われてたのかな。本来言いたいところは、深いとは思います。より多くの人に広がるように上澄みを使って作ってるから、キラキラに聴こえたのかもしれないですけど。

レペゼン:
自分のことを曲で表現できて、すっごく羨ましいです。今日、曲に乗せてる人生の話を聞けたんで、改めてアルバム聴き直してみたいと思います。

Young Freez:
ぜひ、聴いてください。ありがとうございました。

レペゼン:
ありがとうございました!

確かに、メディアばかりを見ていると、「ラップ=ヒップホップ」と考えてしまってもおかしくないかも知れない。しかし、現場に出れば全て一目瞭然。裏を返せば、”リアルなヒップホップをしているやつ”には現場に行けば会える、ということだろう。
リアルなヒップホップを体現しながらも、時代の変化もポジティブに受け止め、楽曲制作を行うYoung Freez。彼こそ、我々を新しいヒップホップの世界に連れて行ってくれる存在だろう。まるで「PICK YOU UP」のように。今後の彼の活動にも目が離せない。

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▼Young Freez
Instagram:freez_tokyo
▼「YOU.」Spotify
https://open.spotify.com/album/1VUa8DiDWUG9CqLMn1puYO?si=B6Zt9oM9S9W8kA8KPTPE5A
▼「YOU.」Apple Music
https://itunes.apple.com/jp/album/you/1437357015

Interview:ABE HONOKA
Writer:中崎史菜

 

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