Interview

2019.6.18 Tue

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レペゼンインタビュー:ACE ヒップホップは1日にしてならず

エースがストリートで戦い続ける理由とは

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前編で明らかになったACE(エース)のヒップホップの原点。
「アジカンが好き」とか「根暗」など、現場やメディアで我々の目に映る彼の姿から考えると意外な一面に気づかされた。そして幼少期に遠い国ブラジルから外国人として日本で暮らすことになった少年は、辛い時期を越えて、日本のヒップホップの今を変えようとしている。

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ACEのインタビュー後編は彼のヒップホップ論について聞いた。彼の言葉はまさにパンチラインの連続。日本のヒップホップのためにあなたができることは何ですか?

人生グラフ②メディアに出始める

レペゼン:
後編は、前編に引き続き人生グラフからお伺いしていきます。
フリースタイルダンジョンに出演しだした頃、グラフは上がらなかったんですか?

ACE:
いや、元に比べたら上がってはいるんですけど、別にまだ上の方までは辿り着いていない感じです。

レペゼン:
なるほど。その後も上がり切ってはいないですね。

ACE:
事務所に所属したり、メディアに出始めるようにはなったけど、ようやく人間になれたぐらいに思ってます。

レペゼン:
メディア露出が増えてくると、街で声かけられたりするんじゃないですか?

ACE:
そう!それが日々のストレスで…

レペゼン:
そうなんですか?

ACE:
会った事もない奴に、「うわ、ACEだ!」って毎日のように絡まれ続けるとイライラしてくるもんですね。丁寧に声かけられる分には全然良いし、写真撮ったりとかの対応もするんですけど。

レペゼン:
けっこうみんな馴れ馴れしい感じなんですね。

ACE:
この前それでちょっとやらかしてるんですよ。一日中ずっとまじで100人ぐらいから「ACEじゃん!」とか「写真撮ってよ!」って言われつずけた日があったんですけど…

レペゼン:
はい。

ACE:
イライラしてて、もう帰ろうと思って渋谷の駅に向かってる時に交差点で、また「あ、お前ACEだろ!」って声かけられて…

レペゼン:
はい。

ACE:
そのイライラがMAXに来てて、その人の顔も見ずに、その場を去りながら「うるせーよ!」って怒鳴っちゃったんですよ。

レペゼン:
ついにキレちゃったんですね。

ACE:
そしたら、その人が「俺!CUEZERO(キューゼロ)だよ!」って言うんですよ。

レペゼン:
おっと。

ACE:
そりゃもう、「えーCUEZEROさん!!」ってなりましたね。大先輩じゃないですか。だからもうごめんなさい、マジで失礼しましたって謝って。

レペゼン:
それはかなり気まずいですね。笑

ACE:
もうそういうのがめちゃくちゃ多くて…CUEZEROさんからすると、とばっちりを受けてる訳ですよね。その時ちゃんと見てなかった俺も悪いんですけどね。

レペゼン:
その後はちゃんと和解出来たんですか?

ACE:
そこは大人な対応をして頂いて、ちゃんと誤解は解けました。笑

レペゼン:
でも、それだけ馴れ馴れしく毎日のように声かけられると、イライラもしてきますよね。

人生グラフ③現在

レペゼン:
最近はどういう感じですか?

ACE:
やっと少し”人間”にかすったかなって、感じです。笑

レペゼン:
最近テレビでナレーションとかやられてますけど、今後そういう仕事も増えそうですよね。

ACE:
そうですね。ありがたい事にテレビの仕事も頂いて、まだ情報公開前なんですけど、ドラマや映画の出演もする事になりました。

レペゼン:
そうなんですか!それはすごいですね!じゃあここからは徐々に上がってくるかなって感じですね。

ACE:
どうですかね。笑

レペゼン:
えええ!!本当に根暗なんですね!笑

ACE:
根は暗いですよ。リア充の奴らムカつくなとか、イケメン見るとまじ殴りたいなとか思いますもん。劣等感の塊みたいなもんです。

レペゼン:
なるほど。でも、そんな正直なところにACEさんのパワーがあるような気がします。

ベストバース

レペゼン:
MCバトル以外にも、メディア露出、ラップスクールの先生、渋谷サイファー、アドレナリンMCバトルのオーガナイズなど本当にマルチに活動されてますけど、何か特別な思いとかはあるんですか?

ACE:
ありますね。アドレナリンなんかは駆け出しの頃からのイベントで、仲間達もそこで出来ました。今のダンジョンの同世代のメンバーもみんなアドレナリン出てくれてたし、他にもそういうイベントって沢山あると思うけど、俺からするとアドレナリンが一番思入れがあります。

レペゼン:
なるほど。そこで仲間ができた大切な大会なんですね。ラップスクールにはどんな思い入れがあるんですか?

ACE:
ラップスクールと渋谷サイファーもそうなんですけど、当時まだフリースタイルダンジョンとかがやってなかった時から活動してて。
ラップを知らない一般人でも全然楽しめるんだ!って知らしめたい。不良の文化でもあるけど、もっと良いものなんだよって伝えたいと思ってやってました。

レペゼン:
なるほど。

ACE:
別にサラリーマンがラップしたって良いじゃんって。

レペゼン:
確かにそうですよね。その熱い想いしっかり届いてます。
一方で、MCバトルを見ていると、ディスし合うのが基本なんで、本当に仲悪くなったりしないかな?って不安なんですけど、そういうことはあるんですか?

ACE:
物によります。過去に仲悪くなった人もいます。「お前それ言うなよって言っただろ」とか、後から何言っちゃってんのみたいな感じとかはありますよ。

レペゼン:
少しはあるんですね…やっぱりメディアに写っているところが全部じゃない。だから面白いんですけどね!
今までやって来た中でこれヤバかったなって思う自分のベストバースとかあります?

ACE:
いやーいちいち覚えてないなぁ。
あー…でも、戦極MC Battleの2on2で、弟のLuizと組んでやった時に、相手に「ブラジル語でラップしてみろよ」って言われて、「ブラジル語?うんん、違うよポルトガル語!」ってアンサーは周りからよく「あれいいねー」って言われますね。

レペゼン:
あれは爽快でしたね!
相手とか組んだ仲間とかで、掛け算みたいな感じで、面白くなるとかありますか?

ACE:
ある程度、実力ある人とやれば、掛け算にはなるっすよね。でも、ここまで来るとシーンも成熟し始めてきてるから、そういう意味ではみんな実力ありますよね。

レペゼン:
確かに。

ACE:
だからある意味で停滞期なのかな。そこの壁を抜けてからじゃないと分かんないなぁ…
今はみんなレベル高いから、良い意味で誰とやっても同じじゃんって感覚が自分の中ではありますね。

レペゼン:
レベルが上がれば、また悩みも増えますね…

ヒップホップシーンについて

レペゼン:
今のヒップホップシーンをどう思いますか?

ACE:
本物と偽物も上手く相まって、マイナーではなくなって来てるし良いんじゃないですか。本物、偽物、どっちにもファンがちゃんと付いてて、良い相乗効果になってるんじゃないかな。

レペゼン:
なるほど。

ACE:
ヒップホップって、ファッションとかアートも絡んでくる根深いカルチャーなので、ラップだけでは一概には言えないですけど、ここからもっと大きくなれば良いと思います。

レペゼン:
その通りですね。

ACE:
ただレベルの低い事だけはやらないで欲しいなって。

レペゼン:
レベルが低いというのは?

ACE:
メディアとかに取り上げてもらってる人たちが捕まちゃったり。またそれをTwitterとかで書いちゃったり。そういうことですね。
それって結局、自分達の足を引っ張ってるのと同じだから、シーン全体を考えたらメディアに出る覚悟をした人は、そういう事だけは大人になれよって思います。

レペゼン:
確かにそうですね。

ACE:
メディアに出ないでそれぞれにやってる分には、自分が思うがままに自由にやっていれば良いかなと思います。

レペゼン:
否定や批判をする側も巡り巡って、結局自分の足を引っ張ってると。

ACE:
そう。メディアに出てヒップホップが大きくなればなる程、アンダーグラウンドのカルチャーも大きくなっていく訳だから、お互いに支え合っていかないとダメだと思います。

レペゼン:
なるほど、両方があってのヒップホップカルチャーですもんね。

ACE:
そのメディアに出ている奴を、テレビに映らないMCバトルの大会で倒して、自分の名前を上げたりとか上手いやり方は色々あると思うので、中途半端な事はやらないで欲しいなって。

レペゼン:
なるほど。

ACE:
今まで日本でヒップホップが、なぜ受け入れられなかったのか。偉大な先輩たちが武道館でやったりとかすごく良い所まで行ってるのに、その先輩たちですらなぜできなかったのかって、理由は明白に見えてる。それが今言ったような事だと思います。日本って国においてはですけど。

レペゼン:
そういうことですね。

ACE:
アメリカとかだと関係ないし、ブラジルでも関係ないけど、日本でやる以上はウダウダ言わずに黙って中途半端な事はやるなよって。

レペゼン:
この国でヒップホップを一般的にするには覚悟がいる。そういうことですね。

ストリートシーンで稼ぐ方法

レペゼン:
ストリートで稼いでいくために必要な事はなんだと思いますか?

ACE:
繋がりじゃないですか?あとは、その繋がりに対する「誠実さ」や「信頼」ってのを大切にすること。やっぱりそれは必要だと思います。

レペゼン:
なるほど。

ACE:
それでもって、あとは”自分自身を尊敬する”ってことですね。アーティストとして、自分をしっかりとプレゼン出来るかってとこですね。

レペゼン:
なるほど、「自分自身を尊敬する」ですか。全編でもおっしゃてましたね。

ACE:
「繋がり」とだけ聞くと、友達同士のゆるい関係もあるかもしれない。でもそうじゃなくて、「自分の歌にはこれだけの価値がある」って知らしめた上で、しっかりとその価値を認めてくれる人を周りに増やして行くって作業が必要なんじゃないですかね。

レペゼン:
なるほど!!”真の繋がり”ってそういうことなんですね!

今後の動向、夢、野望

レペゼン:
今後はどんな動きをしていきますか?

ACE:
右、左、上、下、横、後ろ、斜めと縦横無尽に動いていきます!

レペゼン:
笑。
イベント、バトル、ラップスクール、映画、ナレーション、とにかく色々やっていくってことですか?

ACE:
そんなとこです。

レペゼン:
なるほど。
今後の野望や夢はありますか?

ACE:
世界征服。あと夢は、美人1万人を集めてPVを撮りたいです。ずっと前から言ってるんですけど。

レペゼン:
エロい曲になるんですか?

ACE:
エロい曲じゃなくて良いんですよ。むしろ政治の事とか歌ってる曲で良い。真面目な歌をビキニの女の子1万人の前でってのをやりたいですね。

レペゼン:
それ面白そうですね。笑

最後に

レペゼン:
ACEさんが日本のヒップホップ界で活動するに置いて、座右の銘というか、大切にしている考え方はありますか?

ACE:
「ヒップホップは一日にしてならず」

レペゼン:
なるほど。
だからこそ、いろんな活動を、コツコツやってるってことですね。

ACE:
そうですね。
例えばですけど、レペゼンのメディアでも、ウェブマガジンとして情報を乗せるだけではなくて、イベントを開いてそこで何かをできるかもできるかもしれない。あとは、ヒップホップ界隈の仲間を集めてみんなでゴミ拾いとかやっても社会には”想い”を提示できるわけですよね。
みんなが、何かしら少しずつ仕掛けていくことで、日本でのヒップホップがもっと広がっていくんだと思います。

レペゼン:
本当にその通りだと思います。我々もその想いを大切にして、コツコツ仕掛けていきます!
最後に告知はありますか?

ACE:
2019年10月4日に川崎クラブチッタでアドレナリンファイナルがあります!見逃せないバトルしかないですし、平成生まれのイベントで平成も終わったんで、MCバトルを終わらせに来ました。笑

これやったら終わりでしょ!ってメンツで挑むのでよろしくお願いします。
あとは、渋谷サイファー祭も来年も2020年3月18日にやるので、是非みなさん予定を空けて、仕事も休んで下さい!笑

レペゼン:
どちらもすごく楽しみですね!

ACE:
是非来てください!
あとは年内に自分のアルバムやシングルなど、いくつかリリースするので、そちらも是非よろしくお願いします!

レペゼン:
これからのACEさんの活動、ますます楽しみにしています!本日はありがとうございました!

 

古くからのヘッズたちは、ヒップホップがアンダーグラウンドであり続けることを望むかもしれない。確かに現場でしか味わうことのできないアンダーグララウンドは楽しいし、守るべきだ。しかしながらACEの言葉から確信したのは、ヒップホップにメジャーの要素が入っても、アンダーグラウンドは崩れることはないということ。むしろ、メジャーの要素が増えれば増えるほど、アンダーグラウンドも相まって勢いを増すことだろう。

”本物”はメジャーであってもアンダーグラウンドであっても必ず残る。ではどうやって”本物”を生み出すか。「活動し続けること」がその答えの一つかもしれない。

前編を読む→

▼ACE
Instagram:ace_a.c.e

Interview:ABE HONOKA

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