線一本にもエロスを吹き込む職人 / Peco – Gentle Ink Tattoo –

明るく気さくな性格とのギャップを感じるほどの自分のアートへのこだわり

ライター:レペゼン君

Peco:
タトゥーって彫る行為が全てじゃないんですよね。お客さんありきな訳じゃないですか。まずお客さんが彫りたい物がありますよね。そこに自分のスタイルや意見があり、同時に相手の意見もある。それらを上手に中和させて、そこにデザインを落とし込む。

レペゼン:
なるほどー!

Peco:
次にそのデザインを肌に入れるために、質の良い針や良いインク、良いマシンが必要になりますよね。でもいくら良い質の道具を揃えても、それを実際に起こす手の技術がなければできない。これらの一つでも欠けたらできないと思ったんですよ。だから答えは全部なんだって。

レペゼン:
本当に全てですね!

Peco:
みんなの質問攻めのおかげで、こっちもようやく分かりました。ありがとうございます。笑
でも、たぶんどの仕事にも言えますよね。

レペゼン:
言われてみたらそうなんですよね。

Peco:
必要のない作業はないと言うか。これは僕らに限った事ではないんだろうなって思います。

レペゼン:
なにかを作り出す人たちには共通して言える事なんでしょうね。
では、海外での活動を経験された上で、現在は日本で活動をされていますが、いざ日本に戻ってきた際に感じるご自身のタトゥーアーティストとしての強みや特徴はなんだと思いますか?

Peco:
感性じゃないですかね。

レペゼン:
それはデザインにおいての感性と言う事でしょうか?

Peco:
全てにおいてかな?デザインもそうだし、人となり、考え方とか人とは全く違う物を持っているってすごく感じますね。

レペゼン:
それはどういった時に感じますか?

Peco:
僕は15年中10年くらい海外で活動してたんで、海外の期間の方が長いんですよ。日本と海外ではタトゥーシーンが全く違うので、どっちに身を置くかで考え方が変わるのは当然なんですよね。それで僕は日本でも経験した上で海外でやっていたので、その間の感覚を持てているって言うんですかね。

レペゼン:
お互いの良いとこを持ってバランスを保てているって感じですか?

Peco:
そうですね。日本のタトゥーアーティストさんは凝り固まってる人が多いというか、職人気質な人が多いと思うんですよ。これだ、みたいなのが決まってる人が多いんですよ。僕は柔軟な方なので色んな考え方を吸収できるし、色んなシチュエーションに即時対応できるので、そういった点で話をしてても日本のタトゥーアーティストと話が合わなかったりすることはありますね。

レペゼン:
海外での経験もそうですし、視野を広く持っているので色んなシーンの良いところをご自身のスタイルに落とし込めるから幅が広いですよね。


Peco:
そうですね。でもこれはタトゥーアーティストとしてって言うよりは人間としてすごく感じますね。別に同業者じゃなくても、人と話しててそこら辺の感性は人と違う物が備わってるなって感じる事は多々ありますね。

レペゼン:
なるほど!仕事に限らずなんですね。

Peco:
それはたぶん日本で生まれ育って、その上でアメリカやヨーロッパなど20カ国ぐらい周ってきたからだと思います。それだけ周ってれば人種や国民性、宗教、暮らしと全てが違ってくる訳じゃないですか。そこで得る新しい知識や考え方は、毎回僕にとっては刺激であり喜びだったんですよ。

レペゼン:
新しく吸収できる事が嬉しかったんですね。

Peco:
そういう風に考えるんだって学んだり、様々な国のアートを見てなんでこういうアートがこの国で生まれたんだろうって思いを馳せる事ができたり。それを目の前にして吸収する事で、僕自身の人間性が落ち着く事なく変わり続けてきたんですよ。そこが大きいのかなって思います。

レペゼン:
様々な国で色んな事を経験し見てきた事で、現在の柔軟な人間性が出来上がったんですね。
今まで彫った事のある著名人や芸能人の方はいますか?

Peco:
日本ではあんまり有名じゃないんですけど、Suicide Girls(@suicidegirls)のMilloux(@millouxsuicide)ちゃんとかかな。Suicide Girlsって世界中にかなりの数の所属モデルがいて、みんなタトゥー結構入ってる感じなんですよ。

レペゼン:
世界的な有名人!!すごいですね!!
では、まだ日本ではタトゥーに関して怖い人などあまり良くないイメージを持たれる方が多いですが、そういった考え方や偏見についてはどう思いますか?

Peco:
僕はあまり興味ないので、何も思わないってのが正直な感想ですね。タトゥーに否定的な人、そうじゃない人、その割合が否定的な人の方が日本はちょっと多いってぐらいの話ですよね。

レペゼン:
なるほど。

Peco:
僕がタトゥーやってる理由って、日本ではアングラだからカッコいいとか、海外ではライセンスのある認められた職だからって訳じゃないんですよ。僕自身がタトゥーが好きだからやってるだけなんですよね。

レペゼン:
なるほど!

Peco:
この先環境が変わって日本でタトゥーが今よりもタブー扱いされたとしてもやるし、逆に受け入れられたとしても僕がやるっていうのは変わらないんですよ。だから僕がやる事に関係がないので、好きか嫌いかとどうでも良いんですよ。僕がタトゥー好きだから。


レペゼン:
世の中の反応がどうであれ関係ないって事ですね。

Peco:
でも本当にタトゥー嫌いな人もいると思うし。逆に僕にとって嫌い、許せないって事もあるし、それを全く気にしない人もいる。だから嫌いだって思える感性があるならば、そこは大事にした方が良いですよ。逆にそれは僕にはない感性で、その人にしか作れない物があるかもしれないですよね。

レペゼン:
一つの考え方としてそういう事もあるよね、けど俺は好きって事ですね。

Peco:
嫌いっていうのは悪い事ではないんですよ。昔から良くないものだし、なんとなくタトゥーは嫌いってのは違うと思うんですけど。ちゃんと理由を述べてはっきりと嫌いって言えるなら、それは素晴らしい考え方だと思うんですよ。

レペゼン:
嫌いは悪い事じゃないって面白いですね。

Peco:
なので、そういう人にはちゃんと貫いてもらって、この先僕たちには生み出せないなにかを生んでもらった方が面白いですよね。

レペゼン:
なるほど!

 

…続く。

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プロフィール

  • Peco

    Peco

    長崎県佐世保市のタトゥースタジオ「Gentle Ink Tattoo」の代表。 独学でアーティストとしてのキャリアをスタートした後に、アメリカやフランスなど海外各国で10年以上もの間、ゲストワーカーとしての経験を積んで日本に帰国。独特の感性と浮世絵をベースとした彼の作品を求めて、日本全国から数多くの人が彼のスタジオに訪れる。フランスで昇華された彼のアートのテーマはエロスであるが、決して直接的で下品なものではなく、色気や妖艶さを感じさせてくれる。2021年冬には、待望の東京店をオープンする。