線一本にもエロスを吹き込む職人 / Peco – Gentle Ink Tattoo –

明るく気さくな性格とのギャップを感じるほどの自分のアートへのこだわり

ライター:レペゼン君

レペゼン:
仕事として初めてお客さん相手に彫るようになったのは何歳頃の時でしたか?

Peco:
同時期なんですよ。僕はモニター募集みたいなやり方は好きじゃないので、やらなかったんですよ。彫り物は彫り物じゃないですか。モニターだからとか駆け出しだから失敗しても許されるってのは違うと思うんですよね。結局その人には残りますからね。

レペゼン:
そうですね。

Peco:
タトゥーアーティストにとっては逃げ道になってる訳ですよ。だから僕は最初からお金をとってやりましたね。

レペゼン:
自分の体を使ってちゃんとしたレベルまで持っていき、その後はお金をもらって仕事としてやっていったんですね。

Peco:
まぁ、レベルは低かったですよ。低かったと思うけど、まともな値段でやってました。その分お客さんは少なかったですよ。下手なくせに一丁前な値段取ってる訳ですからね。

レペゼン:
なるほどー!

Peco:
だから、最初は一切お客さんいなくて長年苦労しましたね。安くすれば来るんだろうけど、なんか違うかなって思ってたので頑なにそこは譲らなかったですね。

レペゼン:
値段に自分を合わせていくみたいな感じがって事ですかね?

Peco:
僕なりにお金をもらうプレッシャーを持っておかないといけないって思ってたし、そこまでしないとタトゥーアーティストも神経を擦り減らす事がない気がしたんですよね。

レペゼン:
自分自身に責任を感じさせるためなんですね。

Peco:
そうですね。これ1万で良いよって言ってやってると、どこかで自分も気を抜いちゃうじゃないですけど。1万と言わずにちゃんと5万って言う事で、俺は5万もらうんだって引き締まる感じですかね。まぁ、そのせいで苦労はしましたけどね。

レペゼン:
その姿勢カッコいいです!

Peco:
そんな感じでキャリアは福岡でスタートしました。

レペゼン:
最初にタトゥーアーティストになろうとしたきっかけはなんだったんですか?

Peco:
カッコいいからですかね。笑
イケてるなーって思ってましたね。

レペゼン:
周りにタトゥー入れてる人がいたとかタトゥーアーティストがいたとかですか?

Peco:
全然いなかったですね。なんとなく映画とかで、タトゥー見たりするじゃないですか。それで男の中で「カッコいいな、お前だったら何入れる?」みたいなノリありますよね?
それが僕だけ人より真剣に考えていたのかもしれないですね。「え、なに入れよう、どうしよう?」みたいな。笑

レペゼン:
そういうノリありますね!笑

Peco:
17歳の時にフライングで彫師のとこに行って、そこで18歳からしか彫れないって初めて知ったんですよ。高校も行ってなくて働いていたのでお金は持っていたから、1年我慢して18歳になってすぐ彫ってもらったんですよ。うわー入ってるって感動しちゃって、彫師さんもカッコよく見えたんですよ。

レペゼン:
なるほど!かっこいいですよねー!

Peco:
僕の前にもお客さんがいて、アンダーグランドな感じの少し悪そうな人だったんですよ。その感じの人にありがとうございましたって言われて、リスペクトされてる姿を見て俺もそれ欲しい!ってなって始めちゃった感じです。笑

レペゼン:
そういう悪そうな人たちにも彫り終わった後で感謝され、リスペクトされる姿に憧れを持ったんですね。

Peco:
そうですね。めっちゃカッコいいってなりましたね。始めた理由ってそれぐらいしかないですね。

レペゼン:
純粋にカッコいいって思ったのがきっかけなんですね。

Peco:
その気持ちは変わらないですね。やっぱり今でもタトゥーアーティストさんはカッコいいって思います。

プロフィール

  • Peco

    Peco

    長崎県佐世保市のタトゥースタジオ「Gentle Ink Tattoo」の代表。 独学でアーティストとしてのキャリアをスタートした後に、アメリカやフランスなど海外各国で10年以上もの間、ゲストワーカーとしての経験を積んで日本に帰国。独特の感性と浮世絵をベースとした彼の作品を求めて、日本全国から数多くの人が彼のスタジオに訪れる。フランスで昇華された彼のアートのテーマはエロスであるが、決して直接的で下品なものではなく、色気や妖艶さを感じさせてくれる。2021年冬には、待望の東京店をオープンする。